第三十九話 追加製作
俺は4人を連れて家へとワープした。
「え?え?何が起こったんですか?」
「これは何事だい!?」
新人2人組が騒いでいる。
「うんうん・・・。そうなりますよね。」
そんな2人の反応をアンネは満足そうに見ている。
「ここは俺の家だ。ワープというスキルで街から移動してきたんだ。」
「「ワープ・・・?」」
「そういう移動法だと思ってくれればそれで良い。」
「「はあ・・・??」」
「まあ俺は一瞬で街でも王都でも行けるってことだ。」
「「はい・・・ってええええええ!?」」
「驚くのは後にしてくれ。これからの事を簡単にだが説明する。」
「「「はい。」」」
「まず俺は木こりだ。だが店をやっている。ここまではさっき話したな?」
2人が揃って頷く。
「ただ扱っているものが少し変わっていてグリズリーの絨毯とキラーコブラの手提げ袋を売っている。」
「「グリズリーの絨毯とキラーコブラの手提げ袋!?」」
「驚くのは後だって言ったろ。それが売り切れになってしまってな。お前たちには当面その製作を手伝ってもらう予定だ。」
「はぁ・・・。」
「なんだい!?その面白そうな話は!」
「それといずれは店に住むか新しく家を建てるかするが、当分はこの家に4人で住む事になると思う。
狭くて苦労すると思うが我慢してくれ。」
「はい!」 「まぁ仕方ないね。」 「はい。」
「それでは早速だけど作業を始めようと思う。アンネとレオンは商品の製作。
俺とスーリャは道具の製作だ。」
「はい!」「何を作るんだい?」「はい。」
「作る物は針だ。他にも作るかもしれないけどな。レオンは裁縫の経験はあるか?」
「家に居た頃少しやった事があります。」
「そうか。アンネ、やらせてみて無理そうなら布での練習をさせてやってくれ。」
「はい。」
「じゃあ作業を開始しようか。スーリャは俺と一緒に外で作業だ。」
「はい!」 「分かったよ。」「はい!」
こうして新人2人を加えて初めての作業が始まった。
「でも針なんて作ってどうするのさ?そんなの街でも売ってるだろ?」
「普通の針じゃグリズリーやキラーコブラの皮を縫えないんだよ。
だからミスリルで作った針が欲しいんだ。」
「なるほどね・・・でもあれを加工するには相当の工具が必要になるよ。ウチはそのせいで奴隷になってたしね。」
「ああ、その事なんだがスーリャはどうやってあの針を作ったんだ?」
「ああ、まず熱して叩いてみたんだがハンマーが負けて駄目だったんで手頃な大きさのミスリルを
鉄製のノミや小刀で削って行ったんだ。」
「それで?」
「だけどバンバンノミや小刀が壊れてってね。小刀の形になる前に奴隷になっちまったのさ。
で・・・その途中で削った破片を研磨したのがあの針って訳さ。」
「なるほど・・・つまり破片さえあれば針は簡単に作れる訳だな?」
「まあ簡単って程じゃないけどね。小刀かノミが3本ほどあればいけるんじゃないかな?」
針でもそんなに壊すのか・・・一体何本の工具を壊したんだ・・・?
だがそんなに何個も壊されたんじゃ俺も破産してしまうだろう。
まずはミスリルでノミと小刀を作るのが先決か。
「分かった。まずは街で小刀とノミを買おう。」
「良いのかい!?」
「あ、ああ。」
「待った!王都じゃ駄目かい?」
「別に構わないけど何でだ?」
少々物価が上がるが必要なら構わないだろう。
「良く行く店が王都にあるんだよ。あそこならきっと使いやすいのが置いてあるはずさ。」
「分かった。じゃあ王都へ行こう。」
「早く!早く行こう!」
そう言って俺の手を引っ張るスーリャ。歩いていかないから手を引いても無駄だぞ。
俺はスーリャと工具を買いに街にワープした。




