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第二十七話 マイク


「このお店です。」


案内された店は可もなく不可もなくといった感じの店だった。


こんな店に王都一の針が売っているのだろうか?正直ちょっとばかり怪しい。


「ここなのか?」


「はい!きっと良い針があるはずです!」


自信満々に言い切るアンネを信じるしかあるまい。この世界の標準を考えると流行ってる店は無駄に頑丈な針を置いてるとは思えないしな。


アンネに続いて店に入ると、そこは何屋なのか分からない位に物が置いてあった。雑貨屋と呼ぶのが正しいのだろうがそれにしても置いている物に統一性が全くと言っていいほどない。


「こんにちは~!」


相変わらずの元気の良さだなアンネは。


アンネの挨拶によってむさいおっさんが召喚された。いや、店員が出てきたようだ。


「アンネか・・・?」


ん?おっさんアンネの事知ってるのか?


「マイクおじさん!」


「久しぶりだな。元気にしてたか?」


「う~ん。お父さんが失敗して奴隷になっちゃったけど元気かな!」


「奴隷だぁ!?大丈夫なのか?」


「うん!最初はかなりヤバそうだったけど今は平気。」


展開が早すぎてついていけない・・・このむさいおっさんはアンネの叔父さんでアンネが奴隷やってる事を知らなかったんだろ?それで今は俺がご主人様で・・・このままだとヤバくね!?


「このシュウさん今の私のご主人様よ。」


「ほう・・・?マイクだ。アンネの叔父をしている。」


おい!目つきが据わってるってば。って挨拶返さないと!


「どうも。石川周です。木こりをやっています。」


「木こり・・・?何で木こりがアンネを奴隷にしてやがるんだ?」


そこから俺は必死の言い訳・・・ではなく説明をした。


「なるほどな・・・アンネは今は楽しくやれてるんだな?」


「うん!今はシュウさんと一緒にお店を出すのが目標だよ!」


違うからな?お金を稼ぐのが目標でお店はその手段の1つにすぎないからな?


「そうか・・・シュウさん。アンネをよろしく頼む。」


「は、はい!」


どうやら納得してくれたようだ。と思ったら小声でこんな事囁かれた・・・


『アンネに何かあったら殺すからな。』


最強の俺が殺されるなんて事有り得ないと思っても怖いものは怖かった・・・。


「それでね。丈夫で強い針を探してるんだけど良い針無いかな?」


「強い針?何でそんな物がいるんだ?」


「実はね・・・」


アンネが俺の力とやっている事を説明し始めた。まあ秘密にしている訳じゃないから良いんだけど。


「ほんとかよ!?そりゃまた随分凄い話だな・・・。」


「だから丈夫な針が欲しいの!無いかな?」


「有るかもしれないぞ。ちょっと待ってろ。」


そう言いむさいおっさんは、いやマイクおじさんは物置のような店内の奥へと引っ込んでしまった。


「ここって叔父さん店だったのか。」


「はい!ちょっと変わった人なんですけど良い人ですよ。」


ならば先に教えておいて欲しかった・・・それなら来なかったか。


そんな事を考えていたらマイクが戻ってきた。


「こいつだ。変わり者のドワーフが作った針でな。良く分からん金属で小剣を作ろうとしたらしいんだが針しか作れなかったらしくてな。それを引き取ってきたんだ。」


そうして出てきた針は確かに針の形状をしていた。変な感想ですまん・・・。


とりあえず鑑定してみるとしようか。


ミスリルの針 低温で熱された回数と削られた回数が多い為やや脆い


まじか!?この世界でミスリルを使う職人がいたなんて・・・・

買うしかないな。多少の劣化など問題にはなるまい。


「いくらでしょうか?」


「アンネの連れてきた奴だしな。仕入れ値の銀貨3枚で良いぜ。」


安い・・・安すぎる。恐らくこの世界に1つしかないミスリルを使った製品がこの価格・・・。


「買います。2本ありませんか?」


「さすがにそいつだけだよ。作った奴も最近連絡が取れなくてな・・・。」


それは非常に残念だ。是非会ってみたかったんだが。


「じゃあとりあえずそれ下さい。」


銀貨3枚を支払い、針を買った。


「それにしても変な奴だなあんたは。こんな物買う奴なんて初めてだ。アンネ、辛くなったらすぐ俺に言うんだぞ。」


そんな商品仕入れてるあんたには言われたくねえよ!でも仕入れてくれててありがとうよ!


「大丈夫です!トオルさんは優しいですし、変ですけど凄いんです!」


アンネ褒めてくれてありがとう。でも変はいらないよ。変は。


「そうか。またいつでも来な!欲しい物があったら仕入れてやっても良い。」


「有難うございます。また来ますね。」


そうして俺たちはマイクの店を出た。


「ここは俺も結構利用することになるだろうけど、アンネは遊びに来たくなったら遠慮なく言ってくれ。」


「良いんですか・・・?嬉しいです!ありがとうございます!!」


「そう言えばここって何屋なんだ?」


「私にも分からないんです・・・。おじさんが良いと思った物を売ってるみたいですが。」


完全に趣味の店かよ!良く潰れねえな。


「まあ何にせよ針は入手できたんだ。いよいよ手提げ袋を作るぞ。」


「はい!これでやっとお店が出せますね。」


いやお店じゃなくてだね・・・まあ店は出すんだから良いか。


こうして俺たちは針を入手し、手提げ袋を縫うべく家へと帰った。

名前付きキャラを増やしてみました。


倉庫のおっさんにも名前を付けてあげようかなとか思いましたが、倉庫のおっさんが絡むストーリーはあるとしても当分先になりそうです。

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