第二十五話 絨毯製作
結局アンネに押し切られて絨毯と手提げ袋を10個ずつ作ることになってしまった。
店を出すことになってからアンネの張り切りようが凄い。みるみる作業を進めて行く。このままだとすぐに毛皮が足らなくなってしまうだろう。
「俺はグリズリーの毛皮を狩って来るからアンネは絨毯を作っていてくれ。」
「分かりました!任せてください!」
やる気十分なアンネに送り出されてグリズリーを狩ってくる。
3体ほど狩って帰ってくると既に絨毯は完成間近だ。俺は急かされるように毛皮を剥いでいく。
「出来ました。収納お願いします。」
俺がようやく1体目の毛皮を剥ぎ終わったところでアンネから声がかかる。
「まだ毛皮を剥ぎ終わって無いんだ。」
「では私が剥いでみますから、シュウさんはグリズリーを狩って来て下さい。」
「アンネが剥ぎ取り?大丈夫か?」
「シュウさんのやり方を見ていたので多分出来ます!」
アンネが剥ぎ取りまですると言う・・・。俺も頑張らねば。
その後俺も張り切ってグリズリーを狩って、アンネが剥ぎ取りをしていく。
10体目を狩り終えたところでアンネが絨毯作りに、俺は剥ぎ取りを交代して進めていく。
俺が剥ぎ取りを終えた頃にはすっかり日が暮れていた。
「これで毛皮は足りるかな?」
「そうですね。予備が欲しいかな?足りなくなったらお願いしますね。」
「ああ。じゃあ俺も絨毯を手伝うよ。」
「それじゃあ、お願いします。」
そうして2人で絨毯を作っていく。5枚目が終わった頃には既に3時くらいになっていただろうか。
「そろそろ腹が減ったな。ちょっと遅いけど昼飯にしよう。」
「もう少し続けたいのですが・・・。」
「駄目だ。ほっといたら寝るまで続けそうだからな。」
「分かりました・・・。すぐに作りますね!」
そう言って本当に直ぐに作って昼食を始めるアンネにはもはや驚きを通り越して呆れるしかない。
テーブルもアイテムボックスなのでパンに具を挟んだだけの軽食だ。
「そう言えば今日はまだ良いんですか?」
猛烈な勢いで食べ進めながらアンネが聞いてきた。何が良いのか?
「何の話だ?」
「いつもお昼ぐらいに倉庫へ行くじゃないですか。」
「あ!すっかり忘れてた。ちょっと行ってくるわ。」
時間的にはまだ余裕があるが、俺も手早く昼食を済ませて倉庫へと向かった。
「こんにちは~。」
「おう。今日はいつもより大分遅いじゃねえか。」
「いや~思ったより手間取っちゃいまして。」
ここで家の事だなどと言ったら昨日に増して噛み付かれるのは間違いない。誤魔化す一手だ!
「そうか。てっきり家でよろしくやってるのかと思ってたぜ。」
「ははは。そんなまさか。」
危ない危ない。俺は隙を見せたりはしないぞ。
「なら良いんだけどな。でも昨日に続いて今日もとなるとな・・・。」
疑いすぎだろ!まあ良い。って別に俺やましい事してないんだがなあ・・・
「それじゃ今日の分です。」
「はいよ。じゃあまた明日な。」
「どうも。また明日。」
そう言い倉庫を出る俺の背に声がかかった。
「本当によろしくやってないんだろうな?」
「やってませんよ!」
どんだけ疑ってんだ。全く・・・
家に帰ったらアンネが既に1枚の仕上げにかかっていた。
「遅かったですね。さっさと絨毯を作ってしまいましょう!」
あれ・・・俺一応ご主人様って設定だったよね・・・?
「ああ・・・すぐにやろう。」
言われるがままに作業を始める。黙々と作業を続け絨毯が全て完成した頃には既に夜になっていた。
「やっと終わった~。」
「お疲れ様でした。手提げ袋はどうしましょうか?」
おいおい・・・まだ続ける気なのか?今日はもう良いだろう?
「今日はもうおしまいで良いだろう。テーブルや家具を戻すからアンネは夕食の準備をしてくれ。」
「分かりました・・・。すぐに用意しますね。」
まだ続けたそうなアンネだったが思ったより素直に従ってくれた。
夕食は普段通りの物が出てきた。まさか手早く済ませて続けたりしないかと内心ビクビクしていたが杞憂だったようだ。
「御馳走様でした。」
「御馳走様でした。おやすみなさい。」
「おやすみなさい?」
「明日は朝一番から手提げ袋を作りましょう!」
やる気溢れすぎじゃないですか・・・?俺には一応木こりの仕事もあるんですが・・・。
どうやら明日も忙しい一日になるようだ・・・




