第二十話 認識の違い
それは数日後の食事中の事だった。
「それにしてもワープとアイテムボックスは便利よね。」
「まあそうだな。むしろ使えないで生活なんてもう考えられないな。」
「いや使える方が異常なんだけど・・・でもそうねかもね。」
まあ実際俺もこの世界に来てから使い始めたのだし、どれだけチートな能力なのかは理解できる。
「ところでそれを活かして商売何か考えなかったの?」
「いや考えたよ。でも貿易は国営だろ?出来ないじゃないか。」
「あ~・・・。でも旅行会社や引越し屋さんくらいなら出来るんじゃないかな?」
・・・!?確かにその方向は思いつかなかった!木こりよりは稼げたかもしれん。
「まぁでも個人ではそこまで宣伝出来ないし数もこなせないからなあ。」
「それもそうね。」
まあ結局、木こりが天職だったのかな・・・。
「そういえば奴隷っていくらくらいするのかな?」
「ピンからキリまで有るけど、私だと恐らく金貨200枚はするかな。」
げ・・・2000万円!?もうあの男爵とは関わりたくないのに何か借りみたいになってないよな?
「そうか・・・思ったより高く買ってくれたのかな。」
「私としてはあんな布団と交換されたのがショックだわ・・・。」
「あんな布団ってあれは俺の渾身の逸品だったんだぞ。」
「でも訳の分かんない素材使った趣味の悪い布団だったじゃない。」
完全否定かよ・・・面と向かってこれだけ言われると流石に凹むな。
「じゃあどんな素材が良かったんだ?」
「そうねぇ・・・グリズリーとかキラーコブラとか?」
「雑魚だな。」
「・・・え?」
確かにシーザーウルフよりは若干強いが雑魚は雑魚だ。
「シュウが凄いのは分かってるよ?でも雑魚はないんじゃないかなあ。」
アンネが俺を気遣うような感じで言ってくる。俺が勇者だと言われている理由やら説明してないからなのもあるだろうけどそんな認識だったのか・・・。
「いや雑魚だな。」
俺はそうはっきり断言した。
「そうだね。シュウなら頑張れば雑魚だよね。」
明らかに信用されてない・・・これはちょっと最強の力を見せる必要があるな。
「アンネ。ちょっとお出かけしよう。」
「え?どこへ?」
「ちょっと認識を改めにだよ。」
俺はそう言ってグリズリーの生息地へとアンネを連れてワープした。




