第十七話 街か王都か
アンネがうちに来てから数日・・・
連日の来客もようやく落ち着きをみせ日常が戻りつつあった。日常といってもアンネが増えたから新しい日々となるのは変わらないだろうが。
今日も木こりの仕事を終え家に帰る。
「おかえりなさいご主人様。昼食の準備をしますね。」
「ただいまアンネ。そんなに急がなくても良いよ。」
俺の帰りを出迎えいそいそと昼食の準備に向かったアンネを見てそう返事をした。
食事の準備といえば初日は大変だったようだ。何しろ男爵の食事や商人の食事と田舎村の食事では大分違ったようだからな。
だがアンネはあの来客ラッシュの中、村のおばちゃんに簡単な料理を教わり作ってみせたのだ。
商人の娘とはいえ、かなり高い社交性とやる気を持っている。
「出来ましたよ。」
「ああ。今行くよ。」
アンネと昼食を食べ始める。これも最初はすったもんだあった。
俺が作った時は自然に一緒に食べてたのに自分で作った時は俺の余り物で済まそうとしやがったのだ。
俺が『不愉快だからさっさと自分の分作って食え。』と言ったら嬉しそうにしてササッと一緒に食べ始めたから一種の通過儀礼だったのかもしれないが。いや男爵のところだったらむしろ余り物が当たり前なのか?
「今日はどうでしょうか?」
「ああ。だいぶ慣れてきたようだな。普通に美味しいぞ。」
村にも大分馴染んだようだし十分やっていけるだろう。
「そういえば、何か不自由とかはないか?」
「あ、そのぅ・・・。出来ましたら買い物をしたいのですが・・・。」
「買い物?何か欲しい物でもあるのか?」
「え~と・・・その服とか下に着る物とかですね。」
あ・・・しまった。そう言えば王都からワープで直で連れてきたから何も用意してなかった。
異世界転移の主人公が奴隷を買ったら、まず飯食わせたり服買ったりして好感度上げるイベントしてないとか俺正気かよ!?
「あ~すまなかった。後で王都か街へ買い物に行こう。」
「良いんですか!?有難うございますご主人様!」
「あ~それと、俺のことはご主人様やシュウ様じゃなくてシュウさんくらいで呼んでくれ。」
「良いのでしょうか?私は奴隷でご主人様はその主なのですが。」
「ああ。普通に屋敷に仕える使用人程度の感覚にしてくれ。年もあまり離れてないしあまりかしこまる必要もないぞ。」
「分かりました。それではこれからもよろしくお願いしますね。シュウさん。」
「ああ。こちらこそよろしくアンネ。」
では食事を終え、好感度上げイベントの用意だ。
「王都と街とどっちが良い?」
「街が良いです。行ったことなさそうなので。」
「分かった。」
街へ行くことに決めた俺たちは買い物をしにワープした。




