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第十三話 布団の価値

「こちらになります。」


「有難うございます。」


案内の人に連れてこられたのは応接室のようだ。


「失礼します。」


職員室に入るような形になってしまったが、貴族の挨拶の仕方など分からないのだからやむを得まい。


「これは、石川殿。本日はようこそお越しくださった。」


ギュレーヌ侯爵は娘さんだろうか?お嬢さんと一緒に俺を迎えてくれた。


む・・・侯爵まであんなソファーに座っているのか。


「本日は私に話があるようだが、一体どのようなお話だろうか?」


「実はギュレーヌ侯爵に見ていただきたい物がありまして、お邪魔させていただきました。」


「ほう。それは楽しみですな。一体何をお見せ頂けるのでしょうか?」


「そうそう。物といえば娘にねだられましてな。今流行りのソファーを買わされましたよ。」


「アイアラン商会のですね。私も見ましたがとても入手は出来そうにありませんね。」


そんなソファー等いらん!いらん!!


ククク・・・驚くぞ~。俺が持ってきたのはそんな安物のソファーとは別次元の最高級品だからな。


俺はアイテムボックスから最高級羽毛布団を取り出して、侯爵に見せてやった。


「こちらになります。これはゴールデンジャイアントベアー毛皮とカイザーフェニックスの羽毛で作った布団になります。」


侯爵は呆然と布団を見ている。そうだろう、そうだろう。この圧倒的布団の前に言葉もなかろう。


と思っていたら、娘さんからとんでもない言葉が飛び出した。


「なんですの?この品のない布団は。訳の分からない物を使った上にこの成金趣味の色とは・・・。」


何だと・・・この小娘は今何と言ったんだ・・・・?


「こら。エイミー。申し訳ありません石川殿。」


「いえ。良いんです。この布団について意見を貰えればと思いましたので。侯爵はどう思われますか?」


この小娘には物の良し悪しが分からないだけだろう。そうに決まっている。


「そうですな・・・正直申し上げましてゴールデンジャイアントベアやカイザーフェニックス等の名前は存じ上げません。恐らく素晴らしい素材なのでしょうが、誰にも理解はされないでしょう。」


馬鹿な・・・じゃああれか?俺が今やっている事は俺から見たあの村長のような状態だとでも言うのか?


ドヤ顔してゴミのような物を見せびらかした大馬鹿だと・・・。有り得ん。有り得ない!!


「そうですか・・・ちなみにこれを売るとしたらいかほどになると思いますか?」

「そんな布団売れるわけないじゃない。」

「こら!そうですな・・・銀貨3枚程でしょうか・・・・。」


ぎ・・・銀貨3枚・・・金貨100枚どころか金貨1枚にすらならないだと・・・


「あ~ですが・・・あまりお勧めはしませんが好事家のキュベール男爵ならばもしやすると高額で買い取ってくれるやもしれません。」


「そうですか・・・本日はお時間を頂き有難うございました。今日はこれで失礼します。」


まさかの評価に俺は頭の中が真っ白になった。俺は屋敷を出て即座にワープで家に帰り布団にうずくまった。

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