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デジャヴとまじない

どうも内間です。速攻で書こうと思い集中しましたが誤字などあるかもしれません。


…多目にみてください。

中野区-夜斗羽やとばりん自宅


「ただいまー…」


確かお母さんは出張でお父さんは……知らん。外国にこの間行って、どうでもいいやお父さんだし。

家に帰り玄関に上がると毛むくじゃらの白い塊と黒い塊が弾丸のさながらに飛んできた。

「いつもそうだけど玄関を上がった瞬間飛びかかる癖やめようねー」

二つの塊というのは家で飼っている白い方がネコ、黒い方が犬だ。名前をネコの方がサム(♂)、犬の方がジェシカ(♀)。本当B級洋画の登場人物みたいな名前だな。

両者共に私の大事な家族。

そしてリビングからドタドタとやって来る人物も、まあ大事な家族である。

「お姉ちゃんおかえりー!ご飯にする?お風呂にする?それともぉ…わ♪た♪し?」

んで、この実にやかましいのが妹の優梨ゆうり。サムとジェシカを名付けたのも優梨だ。このセンスこの鬱陶しさそしてあざとさ、もはや私より断然ギャルっぽい。髪とか染めてないだけマシか。

「とりあえずご飯は食べてきたからお風呂かな」

「え?わ、た、し、は?」

「うん、凄い要らない」

「ひでえ、渾身のネタを」

学校で先生に怒られて、二人にも怒られて、変な細男に襲われて、私の疲れは最骨頂だった。

***


風呂に入りすっきりした私は牛乳を飲みにリビングへ向かった。

風呂上りと言えば牛乳だよね!昔、牛乳を飲めば胸がデカくなるとか思ってた時期があり、牛乳を飲む習慣が付いた。けど決してそんなことない。あり得ない。あの時の私しね。

「あ、お姉ちゃん」

リビングへ着くと優梨がテーブルで先に何か飲んでいた。

「お姉ちゃんの牛乳は用意してあるよ」

私は優梨の隣に座り、置いてあるコップに手を伸ばした。

「ん、さんきゅ。てか何飲んでんの?」


「お茶」


お茶て。優梨は湯呑ゆのみに温かそうなお茶を注いで、お茶請ちゃうけに漬物を食べていた。急須きゅうすが横に置いてあり、そこからお茶の匂いが漂う。『急須で入れたようなにごりの旨み』ではなく本当に急須で入れてある。てかおばあちゃんかよアンタ十代女子だろ。妹の謎センスは相変わらずだ。

「お漬物食べる?」

「牛乳に漬物はない」

私はぐっと牛乳を飲み干す。ああ上手い。この夏の暑さにはやっぱ冷たいものだね。

「なんか疲れてるね。いつもの事だけど今日のは格段に酷いよ」

さすが我が妹、観察眼に優れている。全てお見通しということか。

「今日はちょっと色々あってね、変な人に襲われたり」

「…ほう話を聞かせて貰おうじゃないか」

優梨に奈海とこころにファミレスで怒られていたこと、あの変態細男のことを話した。変態細男の話で優梨は大分笑いを堪えていてなんかムカついた。話さなきゃよかった。

「その変態さんの件は残念だったね」

漬物をポリポリ食べながら優梨は笑った。

「ったく、笑い事じゃないんだからね、アンタも気を付けないと。まだこの辺うろついてるかも知れないし」

「大丈夫だよお姉ちゃん。もしその人にあったらすぐに魔警に電話するし」

警察に電話、まあそれが一番良いだろう。あの男に直接何か危害を加えられたという訳でもないが優梨には会って欲しくない。何故かあの細男といたとき、凄く嫌な気分だった。ただのチンピラとか不審者とかではない、ただならない不吉で吐き気がするような気分。

なんだったのか解らないけどああいうのとは二度と関わりたくない。


「とはいえそれはそれ」


ずずずとお茶をすすり、真面目な面持ちへと変わる。ああ、コレあれだデジャヴってやつだ。

「進路については私も思うところあるかなー」

「アンタまで…」

三度目の説教に鈴は嘆息を漏らす。これは避けられない問題だから仕方がないことなのかもしれないが…

「どうしようかなんてまだ解んないかもだし、私が言えたことじゃないかもだけど…それでもそろそろ決める時だと思うよ。お姉ちゃん」

ごもっともです。もっとも過ぎて返す言葉も見つからない。今まであやふやにしてきた問題が私にのしかかる。

「わかってる、わかってるんだけど…やっぱわかんない」

「でもでもお姉ちゃんは『魔法技能』については結構高いらしいじゃん」

そう私、夜斗羽鈴やとばりんは国語、数学、英語などの勉強の教科はイマイチだが『魔法技能』についてはそれなりに凄いのだ。学年トップ10には入るぐらい。

『魔法技能』は中学校までにおける授業の一つ。高校からは警察学校以外の普通科高校で無くなってしまう教科である。魔法技能は魔法を使った戦闘技能、最低限身を守る為の能力と言った方が良いだろうか。暴力犯罪から身を守る為に導入された教科、それが『魔法技能』。魔法警察で最も重要とされるもの。

「その点に関してだけでは向いてるとは言い切れないけど…やりたいとか、そういう目的みたいなものを持たないと絶対、途中で挫折れる」

と、まあこんなところかなと言い終えると優梨は自室に戻っていった。

本当鋭い妹だ。ナイフのような妹の言葉は鈴の胸に深く突き刺さっていた…


***

自室


「はあ…」


最近は毎日疲れで溜め息を吐いている気がする。今日は普段より疲れが酷い。

疲れはあるが鈴は夜型なので全く眠くない。いつも夜はゲームしたり、漫画読んだり、パソコンしたりしているが…今日もパソコンでもしよう。ある程度眼が疲れたら眠れる筈だ。

鈴はベッドに置いてあるノートパソコンを立ち上げる。

yahooニュース、

『モデルの〇〇、~氏との夜の秘密デート。~氏不倫発覚か!?』

『お台場での大幅停電。都市内でも停電が多発している模様』

『謎の焼死体、連発する殺人事件。犯罪組織が動き出した』

など悪いニュースが多く見られる。特に面白いニュースもない。正直いつもの事だがこんな日くらい何か良い感じの記事とかないの…

と、オススメWebページのサイト名に面白そうなものを発見した。

『現実に飽きた♪失望した♪だったら行こうよ平行世界♪嘘か!?本当か!?異世界に行く方法!!』

アホか。『♪』使いすぎだ。どんだけ楽しそうなんだよ。意味わからない人気Webページの名前にあきれた笑いが漏れた。

まあ暇潰しには調度良いだろう。アホだとは思いつつサイトにアクセスする。

そのサイトに書いてある概要はこうだった。

新品のノートに『めっちゃ異世界に行きたい!』と書き、枕にして寝る。(そのときノートに他の事を書いてはならない)すると次の日思いがけないことが!

省略すると大体こんな感じ。やっぱりアホだ。誰だよコレ考えたの、人気サイトに入ってる理由がわからん。これをやってるやつがいると考えると少し可笑しい。おまじないのようなものだろうが不思議と興味が沸いた。

新品のノートを机から引っ張り出し『めっちゃ異世界に行きたい!』と大きく殴り書いた。ストレスも吹っ飛んだような気がして爽快だった。

こんな意味不明なことをしている自分に呆れる。


「今日はなんかおかしいなぁ」


せっかくやったのだ。鈴はノートを枕代わりにしてベッドに入る。

枕低っ!心の中で呟きつつ鈴は泥の様に眠ったのだった。


まだまだ序章が続いておりますが、基本これはバトルと友情の王道で話を進めていこうと思っています。結構複雑に長期に渡る連載になることが予想されます。


次回もお楽しみ下さい。

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