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死にたい私は死ねました!! ~私が君に殺されるまでの物語~  作者: 一般人A


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第1話 -死にたい私は告白しました-

「転校生を紹介するぞ〜」

先生の合図、それに反応して、私は教室に入る。

ザワザワとする教室。

そう、ここは学園だ。


「今日このクラスに転入してきた、ハルカ・シノゾムです!」

軽く自己紹介をしながら、私は周囲を見渡す。


お!いい子いるじゃん!

あの子なら……私を……


***************************************


ガタッと、靴箱を開ける。

その中には不思議なものが入っていた。


「──ラブレター?」


どうやらそれを書いたのは、今日転校してきたハルカらしい。

そういえば隣の奴が「転校生かわいくね?」とか話していたなと、思い出す。

まあ、そんなことはどうだっていいのだが。


普通ならからかいだって疑うんだろうが、俺は疑わない。

そこに書いてあった、武闘場裏へと、俺は向かう。


***************************************


「あなたに一目惚れしました!付き合ってください!」


私は告白した。

なぜこんなことをしたか、それはただ、この子と関係が欲しかっただけ、初日に告白なんてヤバイ事すれば、なんらかの関係はできるはずでしょ?


「え、えと、はい?いい、ですよ?」


そしてゆくゆくは、彼に私のこと殺してもらう。


「うそ?!やったー!!」


多少オーバーなリアクションで、彼に抱きつく。


そう、これは。




┌─────────────────┐

│私が彼に殺されるまでの物語である。│

└─────────────────┘



















         ///

┌──────┐////┌────────┐

│私が彼に殺さ//////までの物語である。│

└────┐//////┌─────────┘

     /////

    ///



──────へ?


「痛い……痛い、痛い痛い痛い!!!!!」

腹部を……刺された?

なぜ?いやそりゃあ、殺されたかったのだから、本望ではあるのだけれど。

こんなこと……ある?

本当に、私は死ねるのかな?

というか、こんなところで殺すなんて……どういうつもり?


「大丈夫さ。計画は練ってある。君が僕に殺された事は、学園にはバレないよ。」


っ。まるで心が読まれているようだ。


「さあ、安心して死にな。」


***************************************


ふう。なんとか無事に終わった。

じゃあ、死体を片付けるとでもしようかな。

そうして、俺は彼女の方を向こうとする。


「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええ!?!?!?」


その時、彼女が叫んだ。


***************************************


私は今、目の前にいる彼に殺された、そのはず、なのだけれど、なぜこんなにもピンピンしている……?


……それは簡単なことだ、と思う。

というのも、自分でも確証がない。

だけど、今視線を少し下に向けると、見えてはならないものが見える。


なぜ私が倒れている……?


いや、うん。多分そういうことなんだろう。

「ねぇ、君、もしかして、私幽霊になってたりする?」

聞こえるはずはないけれど、私を殺した彼に尋ねる。


「そうだね。」

「やっぱりかー。」


いやあ、認めたくもないけれど、あれだなぁ、死に損なった気がしてくるなぁ。

……ん?


「えなんで私と話せてるの?!」

驚きながら叫ぶように言う。

「まあ、そんなもんなんじゃない?」

冷静に私の死体を異空間へ入れながら、彼はそう言った。


「え!異空間ってあの高等魔術の?!本当に?!」

「いちいちうるさいなぁ。そうだよ、いわゆる空間魔法ってやつだ。」


「なんでただの学生のはずのあなたにそんなことができるの?」

こんな状況なら誰でも浮かぶような疑問を投げかける。

「───いろいろあったんだよ。君だって、ただの学生じゃないだろう?」


「っ。そ、そうね。というか、そもそもとして、なんで私を殺したの?初対面のはずの私を殺す理由って?」


「……。まぁ、君になら言ってもかまわないかな。そうだなあ、簡単に言えば、宣戦布告、かな。」

「宣戦布告、って、何と戦うつもりなのよ。」

「世界」

「世界か〜〜なるほどね〜〜。」


……


「世界?!」

「そうだよ。僕は世界と戦う、そのつもりだ。」

「あ、あなた、魔王にでもなるつもりなの?」

「そう、かもね?」


はぁ?

それは意味のわからない回答だった。

だが、もしそれが本当なら、納得がいく。

この私を殺せた理由も。


「なるほど、だから私を殺したのね。この『勇(・)者(・)』である私を。」

「そうだ。」


彼は、それがさも当然かのように言った。


「でもわからないことが一つだけあるわ。何故私が勇者だとわかったの?」

「……簡単な話だ。そういうスキルだよ。」

へーなるほど。鑑定?心を読むとか?はたまた未来を読むとか?

私に考えられるのはそれくらいかな。


「ところで、こんなに私の話を聞いていていいの?」

「死人に口無し、だよ。それに君に抵抗しようと言う気持ちはないだろう?なんせ、君は死にたがってたのだから。」


っ。なぜそこまでバレてる?


「それも、さっき言ってたスキルの影響?」

「そういうことにしておけば?楽でしょ?そういうの。」


まぁ、楽なのは否定できない。


「さて、そろそろ帰るとするかな。」

彼はそう言って、家へと足を向けた。

そこで、わざとらしく、私は告げる。


「死にたかったのは間違い無いけど、こうなっちゃあ意味がないわ。だって、本来の目的を果たせてないんですもん。」


だって本当にそうなんだもの。

まだ、私の目的は果たされていない。


「え〜っと、つまり?」

「家まで着いて行ってもいいかしら?まぁ、拒否権は無いのだけれど。」

「……まぁいいよ。ただ会話は無いものと思ってくれ。」

「はぁ〜い!」


こうして、私は彼の家へと行くことになった。


「……ところで、あなたの名前は?」

「名前も知らずにラブレター送ったのかよ。」

呆れるように彼がそう言うと、

「エンディ・ルーパだよ。」

その名前を教えてくれた。


さて、前言撤回しておこう。

どうやらこの物語は、『私が彼に殺されるまでの物語』ではなかったらしい。

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