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追放された無能召喚士、最弱スライムの中に双子の魔王がいました  作者: 桜塚あお華


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第17話 村に帰ってきて……

 嘆きの洞窟での誓いを経て、三人の旅は静かに幕を開けた。

 ガルドは、ルーナとルージュを伴って村へ戻ってきた。

 しかし、村の広場に足を踏み入れた瞬間、畑仕事をしていた村人たちの安堵の顔は次の瞬間に恐怖へと変わる。

 彼の隣に立つ、感情を一切宿さぬ紅い瞳の青年――ルージュを見た瞬間だった。


(まあ……当然の反応だよな)


 ガルドは、ひきつった笑みを浮かべるしかなかった。


 ルージュは、白銀の髪に紅の瞳を持つ完璧な美貌の青年。

 だがその気配は、氷のように冷たく、どこまでも異質だ。

 陶器のような滑らかな肌に無感情の瞳。

 そこにあるのは、人の理から外れた威圧感――『魔王』としての本質だった。

 村人たちは一歩、また一歩と後退し、口々に恐怖の声を漏らす。


「ひっ……な、なにを連れてきたんだ……」

「ガルドさん、その人は……まさか、魔物……?」


 そんなざわつきを前に、ルーナがふわりと一歩前に出た。

 その紅い瞳には、いつもの愛らしさはなく兄を恐れ侮る視線に対する怒りが込められている。


「失礼ですね。この人は私のお兄ちゃんです。ご主人様が、助けてくれた、大切な……家族なんですよ?」


 凍りつく村人たちを、ルーナの視線が射抜く。

 その怒気に触れた空気が、さらに冷え込んでいく。


「ルーナ、やめろ……」


 ガルドが静かに制し、彼女の肩に手を置く。

 その言葉に、ルージュが淡々と口を開いた。


「構いません。恐れるのは当然のこと。我々は、彼らの常識では測れぬ存在ですから」


 そう言ってルージュは一歩、後ろに下がる。

 それは、恐怖を与えぬよう『異形』である自分を村人から遠ざけるための行動だった。

 その姿に、ガルドははっきりと気づく。

 この青年の冷たさの奥には、忠誠だけでなく――自分の大切なものを尊重する「心」があるのだと。


「……みんな、安心してくれ。彼はルージュ。俺の大切な仲間だから」


 ガルドの言葉に、村人たちは静まり返った。

 もはや、彼は“無能”と罵られていた召喚士ではない。

 二人の魔王を従え、確かな覚悟と共に歩み出した、真の『主』としての気配を纏っていた。


 静寂の中で、ルーナが優しく微笑む。


「ふふ、恐れてる恐れてる……喜んでくださいご主人様!」

「いや、喜べないんだけど……ああ、もう、この村も出ていくしかないのかなぁ……」


 ははっと笑いながら、頭を抱えるガルドの姿に、ルーナとルージュの二人は首を傾げながら不思議そうにしている姿があった。

 まだまだ、『無能』と呼ばれたガルドの受難は、続くのである。

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