第6話 精神と外神の部屋
暫く階段を下りていくとエレベーターが現れた。
「…鉱山ですか我が家は」
「ふふふ、まあもうすぐよ」
そうしてエレベーターにのり2分ほどでドアが開く。
その先には…
「広!」
地下の広い空間、光源があまりないのになぜか明るい。広さは東京ドームほどか。
「星野さん、ここは?」
「翔君がユニークスキルで造り上げた世界で数か所しかないダンジョン以外でSSランク一桁位が全力で戦える場所よ」
「なぜ、家の地下にこんなものが…」
「クラン共用の施設だけど翔君は制作者だから優遇があるのよ」
「はえー」
お兄、すごい
でもお兄のユニークスキルって…まあ今は考えないでおこう。
「で、ここでどうやって訓練するのですか?」
「まあ色々と方法があるわ、経験値というのは別に魔物を倒さなくても手に入るものなのよ」
「そうなのですか?」
「それでね、この空間には色々な機能があってね、重症を負っても勝手に治って、致命傷でも普通に復活させることができるのよ…ほんと翔君の絶剣は万能ね」
…
「えっと嫌な予感が…」
「大丈夫、一応よ、それにいくらスキルを一つ得たくらいで…あらそういえば…まだあんたのステータス確認していなかったわね?」
「あ、う、はい」
「私のも見せてあげるからほら ステータス」
「星野心寧 種族 力の半神
力 500000
魔力 11200/1120
オリジンスキル
ヨグソートス ヘラクレス
ユニークスキル
竜装
スキル
身体強化MAX
各種耐性MAX
自動治癒MAX
自動魔力回復MAX
「!?」
「どう?すごいでしょ?ユニークスキルに拳の聖人にって」
「ヨグソートス…?ヘラクレス…?それに力の半神?」
「…あんた、いま、なんて」
唐突な身震い、こちらを見る星野さんの眼を絶対零度。
「は、はひ」
「見せて、あなたのステータス」
感情を感じさせない声で星野さんは言う。
「は、はい…ステータス」
【水瀬楓 種族:核熱の亜神
力 2357
魔力 4000/10000
オリジンスキル
プロメテウス
ユニークスキル
融合、零式
スキル
身体強化MAX】
…
…
…
「…はぁ」
「え、えーと星野さん?」
「あの絶剣に似た特性の零式にさらに私と同じオリジンスキル、とんだ地雷、メガトン級の核地雷よこれ」
「あの」
「あんた、いや楓ちゃん!」
「は、はい!」
「覚悟はいい??」
「いやなんの覚悟!?」
「端的に説明するわね、このまま放っておいたら楓ちゃんの持つオリジンスキルが暴走してこの星を焼き尽くしかねないのよ!!!」
「な、ま、なぁあああああああ!?」
まずい、混乱しすぎて猫の鳴き声みたいな叫びが。
「どどど、どうするればいいいんんんですかあああああ!?」
「落ち着きなさい、オリジンスキルを制御できるために強くなればいいのよ!」
「な、なるほど」
「まあ猶予はあと5日くらいだけどね」
「マズイじゃないですか、どうするんですか!??」
「またまた端的に説明するわよ、私のヨグソートスの一回限りの能力でこの空間が封鎖されて、時間が地表と比べて約1000倍遅くなったわ、これで時間の問題は解決、ここで十年訓練しても外では2,3日しかたってないわ」
「え、十年分年を重ねるのですか?」
「何を言っているの、楓は既に亜神だから定命の者ではないわよ、老化することはないわ」
まじですか。
「で、ではどのような訓練を?」
「…この格言を知っているかしら?…死にかけるほど強くなる!」
「いい年して少年史の読みすぎですよ!!!」
「あ、こら私はまだ23歳じゃい!小娘!…兎に角、方法は一つよ」
「ひ、一つ?」
「絶剣のいや、ヨグソートスの能力であなたは体が粉みじんになろうが復活するのよ」
「…つ、つまり」
「私はあんたを本気で手加減なく殺しに行く、そして逆にあなたも私を全力で殺しに行く、以上!」
「…ま」
ドンッ
「へ?」
目の前には綺麗な星野さんの顔、私の胸を貫く星野さんの腕。
「がぐ、がはっ!」
吹き出る血しぶき
地獄が 始まった。




