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守る華・守られる花  作者: ミシル
第二章 すずらん

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89/113

89.永遠を誓った日

1ヶ月後――

守華と蘭明は、赤い衣装に身を包み、特別な一日を迎えていた。


守華の頭には赤いベールが柔らかくかかり、拍手に包まれながら蘭明の手を握る。

胸の奥は緊張と喜びでいっぱいだった。

そう、今日は守華と蘭明の結婚式――二人の心が永遠に結ばれる日。


以前は二人の誕生日に式を挙げようと思っていたが、血の約束を交わすなら、一刻も早く――そう心に決め、屋敷で静かに、しかし心から温かい式を行った。

親しい人々だけに見守られ、祝福と柔らかな陽光に包まれる。


そして、式と共に行われる“血の約束”。

巫女の村から運ばれた清めの水を前に、互いの指に針を刺し、一滴ずつ血を垂らす。


「本当にいいのじゃな?これを飲むと、お互い離れられなくなるぞ」


呂布の真剣な眼差しを見つめながら、守華と蘭明は互いを見つめ返す。

迷いは一切ない。


「はい」


二人は水を飲み干す。

その瞬間、まるで世界が二人だけのために静止したかのように感じられた。

離れることなんて、もう考えられない――

ずっと一緒にいることを、心から望んだから。


「私の名前は、“守まもる華はな”と書いて守華。私は蘭という花を守る宿命なの」

「枯れないように、ずっと隣にいてくれ」


赤い衣装が陽光に映え、柔らかな光に祝福されながら、二人はゆっくりと手を取り合った。

この世界に来てからの3年半――

あらゆる試練を経て、ようやく守華は心から愛する人と共に歩き始めることができた。

胸に広がるのは、言葉にできない幸福と、未来への希望。


式を終え、部屋の中で蘭明を待つ守華。

待っている時間は、やはり心臓が早鐘のように鳴る。

少し緊張している自分に、くすぐったいような笑みがこぼれる。


やがて蘭明が静かに入ってきて、守華のベールをそっと外す。

そして、柔らかく手を差し出すように促した。


守華は言われた通りに右手を差し出すと、蘭明はそこに手作りのミサンガを結んでくれた。


「蘭明、これ…作ったの?」


「うん、小心に作り方を教わりながらな」


守華の胸にじんわりと温かさが広がる。

「嬉しい…」


「指輪とかの方が良かったんじゃないか?」

「ううん、蘭明の手作りミサンガが一番嬉しい」


そう言うと、守華は思わず蘭明に抱きつき、唇を重ねる。

「私からキスしたかったのに…」


次の瞬間、蘭明が守華を優しく抱き寄せ、今度は蘭明から口づけを返す。


そのまま、守華は蘭明に優しく抱き上げられ、ベッドに横たえられた。

「願いごとは?」

「もちろん…死ぬまで蘭明と、そして来世でもずっとずっと一緒にいられるように」


夜の静けさの中、二人は互いの唇を求め合い、激しく、しかし深く愛を交わす。

蘭明は守華の首筋に優しく、そして熱を帯びたキスを重ねる。

「この匂いはもう俺のものだな」

「蘭明の匂いは、私のものよ」


窓から差し込む月明かりが二人を柔らかく照らす。

絡み合う体、重なる呼吸、指先から伝わる温もり。夜の闇は二人だけの世界を包み込み、時間はゆっくりと溶けていく。


やがて呼吸が落ち着き、互いの額を重ねながら、二人は静かに笑みを交わす。

「ずっと、こうしていられるね」

「うん、ずっと…」


月の光に照らされた二人の影が寄り添う夜。

この瞬間、守華と蘭明は、誰にも邪魔されない、永遠の安らぎと愛を手に入れたのだった。


それからの日々は、本当に穏やかで幸せに満ちていた。

ウタとは文のやり取りを続けていた。

「怒ってるかな…?」と少し心配したけれど、ウタは全く怒っておらず、何となく分かっていた、と.....子どものくせに…と思うけれど、それは私の勝手な思い込みだった。


今でもウタは季昭のもとでお世話になりながら、舞の稽古に励んでいるらしい。

季昭は相変わらず遠征が多く、忙しい日々を送っているとか......


私はというと、ずっと蘭明と一緒にいたくて、侍衛として側に置いてもらえるようお願いしたけれど、「寿命が縮むから」と言われ、大人しくしていた。

とはいえ、じっとしているのはやっぱり性に合わず、近くの子どもたちに舞を教える教室を開き、日々の楽しみとした。


夜には、月明かりに照らされながら蘭明と肩を並べ、静かに庭を歩くこともあった。

その温かさ、柔らかな風、互いに寄せる笑顔。

この幸せがずっと続くと、このときは心の底から思っていた――。


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