52.利用した罠の仕組み
山賊討伐に向かう兵士たちが列を作って並んでいた。
彩国との戦に比べれば、ずいぶん少ない人数ではあるけれど、それでも緊張感は十分だった。
守華は蘭明の隣に立ち、彼を見送る。
そのとき、侍女を連れた貴愛奈が姿を現した。
守華は咄嗟に一歩、蘭明から離れ、貴愛奈に深く一礼する。
貴愛奈は横目で守華をちらりと見た。
「蘭明、気をつけて。無理はなさらないで」
「ああ、行ってくる」
蘭明は馬に跨り、守華の顔を見ようとするが、守華は下を向いたままだった。
そこへ、琉璃がそっと守華に近づく。
「では、守華さま、行ってまいります」
「ええ、蘭明をよろしく頼むわね」
守華は貴愛奈に聞こえないように、小さく囁いた。
「はい、お任せを。私が守華さまの代わりに蘭皇をお守りいたします。それより、守華さまもどうぞお気をつけて。特に、目の前の…」
守華は軽く頷き、琉璃と目を合わせる。
「大丈夫。私は問題ないから」
琉璃も頷き、馬に跨った。
「しゅっぱーつ!」
掛け声とともに、兵士たちが一斉に歩き出す。
蘭明は振り返り、守華を見つめる。
守華もまた、彼を見上げて小さく頷いた。
〈私は大丈夫〉
その思いを受け取り、蘭明もまた頷く。
けれど、心のどこかで悪い予感が蘭明の胸をよぎり、後ろ髪を引かれる思いのまま、山へと向かっていった。
蘭明たちが山へ向かって出発してすぐ、守華は貴愛奈の護衛に就いた。
しかし、言うまでもなく、嫌がらせはすぐに始まった。
護衛としての任務ではなく、まるで召使いのように扱われるのだ。
守華が髪をとかせば、「痛い」と嘘をつき土下座させられ、運んだ料理には髪の毛が混入していると騒がれ、料理を投げつけられる。
泥濘に簪を落とされれば、拾ってくるよう命じられ、その様子を貴愛奈と侍女たちが笑う。
それでも守華は黙って耐え、何も言わずじっと我慢していた。
ある日、何日分かの洗濯物をまとめて渡され、守華は1人で全てを洗うよう命じられた。
洗濯場に行くと、偶然小心もそこに来ていた。
「守華さま?どうしてこんなところに?」
「小心も洗濯?」
「はい、“も”ってことは守華さまもですか?護衛のはずの守華さまが洗濯なんて…」
守華は淡々と答える。
「嫌がらせでしょうね。でも、こんなことで嘆く私じゃないわ」
小心は心配そうに見つめる。
「守華さま、少しお痩せになられたのでは?貴愛奈さまのところでちゃんと食べてますか?」
守華は桶に洗濯物を入れ、水を注ぎながら微笑む。
「心配いらないわ。大丈夫」
小心は手伝おうと提案する。
「それにしてもこんな大量の洗濯…私も手伝います」
「大丈夫、1人でできるから」
「いえいえ、私、こう見えて洗濯の名人なんです」
腰に腕をやり、にっこり笑う小心。
「大量の洗濯は手よりも足で踏むと早く終わりますよ!」
小心がお手本を見せると、守華も真似して足で洗濯物を踏み始めた。
そのリズムが心地よく、守華は思わず歌い出す。
♪〜〜〜
歌に合わせ、踊るようにリズミカルに洗濯する守華の足元。
小心も一緒に笑顔で作業し、周りの侍女たちも楽しそうに足で洗い始める。
守華の歌に合わせ、皆でリズムに乗りながら洗濯するうち、守華自身の大量の洗濯物もあっという間に片付いた。
あれほど大量の洗濯をこなして戻ってきた守華を、貴愛奈は不満そうな目で見据えていた。そして、守華の前に立ち塞がる。
守華は気づき、一礼をして横を通ろうとしたが、貴愛奈に呼び止められた。
「守華。あなた、蘭明に想いを寄せていらっしゃるのでしょう?」
「……」
守華は答えず、ただ黙って貴愛奈を見つめる。
「でも、残念でしたわ。蘭明は戻ってきたら私の夫になるのです」
鋭い目で守華を睨む貴愛奈。
「それに、少し不思議に思いません?なぜ年上の海尭ではなく、蘭明なのか、と」
守華の周りをゆっくりと歩きながら、貴愛奈は続ける。
「知りたいでしょ?」
守華は黙ったまま。
「いいでしょう。特別に教えて差し上げます。知ってもどうにもならないことですし、あなたも諦めがつくはずです」
守華は何も言わず、貴愛奈をじっと見据えている。
「皇后は実の息子、星曜を次期皇帝にと望んでいます。でも星曜はその気がなく、蘭明を支援しているようです。皇后にとって面白くないことですよね。今、次期皇帝に最も近いのは、武芸も頭脳も優れた蘭明でしょう。蘭明の母は既に亡くなっていますが、元皇后。海尭は側室の子。皇后にとって邪魔なのは蘭明です。だから、蘭明が楽士国に嫁げば邪魔者はいなくなり、星曜が動きやすくなる。陛下は陽月国の領土拡大を望んでいるので、海尭でも蘭明でも星曜でも、誰でも楽士国に嫁げば問題ないのです。結局、陛下にとって重要なのは国の支配であり、個人の想いは関係ないのですよ」
「なるほど……」
守華は初めて口に出した。
「では、貴愛奈さまご自身はどうなのです?蘭明のことをお慕いですか?」
「好きよ。ただ、恋愛感情ではなく、幼い頃から見てきた同情です。私は誰が夫になろうと構わないのですから」
守華の目つきが鋭く変わり、ゆっくりと貴愛奈の目の前に進む。
_____パッチーーーン
思い切り、貴愛奈の頬を打った。
「何をするのです!!」
驚いた貴愛奈が守華の頬に手を振るが、その手は守華にしっかりと抑えられる。
「攻略結婚だと分かっています。ただ、夫になる蘭明に“同情”などという言葉、絶対に口にしないでください。もし貴愛奈さまが本当に蘭明を心から慕うなら、私はいつでも身を引きます」
守華は貴愛奈の腕を振り払い、背を向けて立ち去った。
「何なんですの!!」
涙目の貴愛奈が叫ぶ声だけが、静かな屋敷に残った。
暗闇の中、数本のろうそくだけが揺れる部屋に、全身をマントで覆った二人の影。
「今です!あの女から蘭明が離れたこの隙を突くべきです!」
「いや、何度も失敗してきた。公になってないのは蘭明が口止めしているせいだろう。今、あの女は貴愛奈に張り付いている。直接狙えば、逆に貴愛奈に告げ口され、我々の命が危険に晒される……」
部屋に重苦しい沈黙が落ちる。
「ならば、貴愛奈を逆手に取るのはどうだ? 我々の手を汚さずに、あの女を仕留められる」
薄暗い光の中、二人の影が意味ありげに寄り添い、策略の輪郭を浮かび上がらせる。
貴愛奈が滞在する屋敷に、黒い影がひそむ。
侍女たちが引き下がった先、貴愛奈の寝室前で影は低い声を漏らす。
「貴愛奈さま」
その声に、貴愛奈は眉をひそめる。
「誰ですの?」
「怪しい者ではございません。扉を開かずとも構いません。少し、お話を――貴愛奈さまにとっても悪くないお話です」
「悪くない話……ほう、言ってみなさい」
「承知しました。貴愛奈さまがあの守華という女を快く思っていらっしゃらないのは承知しております」
「守華……何をしても表情ひとつ変えず、毅然として、苛々させる女よ」
「その守華に、少し脅しを入れて差し上げましょう」
「脅しを?」
「はい。そうすれば守華も大人しくなるはずです」
貴愛奈は薄く微笑む。
「なるほど、私としても面白い話ですわ。でも、そなたにとって、守華を脅すことに何の意味が?」
「何もございません。ただ、貴愛奈さまと蘭皇の婚礼を叶えたいだけでございます。でしゃばる守華に我々だけで脅しをかけることは可能かもしれませんが、怪しまれるリスクが高い。ですので、明日、周大山付近に守華をお連れください。山賊が暴れている今、山賊に扮して、守華に軽く脅しを入れるのです」
「脅すだけで、殺すことは……?」
「もちろん。殺すことはありません。ご安心ください」
「蘭明たちに気づかれる心配は?」
「大丈夫です。蘭皇たちは山の反対側にいるので、安心して行えます」
貴愛奈の目に、わずかな興奮が宿る。
「ならば……いつも冷静な守華の表情が、襲われた瞬間に変わるのを楽しみにしておきますわ」
「承知しました。では、明日、周大山でお待ちしております」
貴愛奈の屋敷を後にする黒服の影。
出口で待機していたもう一人が近づく。
「どうでしたか?」
「女の競争心は恐ろしいものだ。貴愛奈は守華を、かなり厄介な存在と思っている。案の定、簡単に話に乗ってきた」
「どうして貴愛奈を?」
「守華だけを狙うと思わせているのだ。だが、武芸を身につけた守華なら自分の身は守りきる可能性が高い。だが貴愛奈はどうだ?何もできない姫だ。だから、悪いが貴愛奈を狙う。もし負傷、あるいは命を落としたら、誰が責任を問われる?」
「……なるほど、あの女ですね」
「ああ。表向きは山賊が襲っただけ、そうなれば守華が責任を問われる。我々が手を下さずとも、牢獄行きだ。そこで妖石のありかを聞き出せばいい。聞き出せれば死刑でも構わん。あとは、遺体と満月が揃えば……」
「流石です。それでは、明日のために配置を」
二人の影は、暗闇に溶けるように消えていった。
翌日、貴愛奈は侍女二人と守華を伴い、周大山へ向かった。
守華は山賊の出没を知っていたため、貴愛奈を止めようとしたが、どうしても山からの景色を見たいと貴愛奈は頑なに譲らなかった。
守華は考えた。山賊は自分たちが行く反対側によく出没しているらしい。景色を見る程度なら大丈夫だろう――そう判断し、仕方なく承諾することにした。
ただし、護衛を増やすよう守華は提案したが、貴愛奈は「人数が多いと落ち着かない」と言って即座に却下した。
仕方なく守華は、貴愛奈を馬車に乗せ、自らはフリーダムに跨る。貴愛奈を先頭に、周大山へと進んだ。
青々と茂る山々は、都の喧騒を忘れさせる涼やかさを帯びていた。
都にいると慌ただしさに追われ、こんなゆったりとした時間はすっかり忘れがちだった。特に近頃は――
守華は清浄な山の空気を胸いっぱいに吸い込む。少し山に入っただけで、空気の違いがはっきりと分かる。
都の空気も現代の日本に比べればずっと澄んでいるが、山の自然の空気はそれとは比べものにならないほど清らかで、心地よかった。
「貴愛奈さま、このあたりに美しい滝壺があるようです」
馬車の前方に座る侍女の一人が、貴愛奈に声をかけた。
「滝壺かしら。立ち止まりなさい」
馬車を操る使い人が馬を止めると、貴愛奈はゆっくりと馬車から降りた。
それを前方で先導していた守華がすぐに気づき、フリーダムから降りて貴愛奈に駆け寄る。
「貴愛奈さま、どうなさいました?」
「滝壺があるらしいの。せっかくここまで来たのだから、見に行きましょう」
「かしこまりました」
侍女の一人が貴愛奈の手を取り、ゆっくりと歩き出す。
もう一人の侍女と馬車を操る使い人は、ここで待つように指示され、馬車を留めた。
守華はすかさず貴愛奈の前に立ち、周囲を警戒しながら進む。
_____カサカサ____
音のした方に守華が顔を向ける。
右手に刀を抜き、左手をそっと前に伸ばして、貴愛奈を守るように慎重に前へ進む。
____っピョン
「「キャッ!」」
貴愛奈と侍女が、飛び出してきた小さなウサギに思わず声を上げる。
「ウサギですわ」
「もう、驚かせないでくださいませ」
ほっと胸をなでおろす守華たちだったが、その瞬間、守華の前に黒服の刺客が十人ほど姿を現した。
守華は貴愛奈を守るように、少しずつ後退する。
「貴愛奈さま、少し後ろにお下がりください」
言われた通り、貴愛奈と侍女は守華の後ろに下がる。
木々が風に揺れる音だけが静かに響く。
守華と刺客の間に、張り詰めた空気が走る――
そんな緊張の様子を、影から見つめる貴愛奈と侍女は、互いに目を合わせて、わずかにニヤリと笑った。
_____カシャン、カシャン、カキン
守華はたった一人で、十人の刺客と対峙していた。
足を狙って立てなくしたり、気絶させたりして戦い、残るはあと四人。
体力がもつだろうか…
でも、この場を守れるのは私しかいない――
_____カシャン、カシャン
その瞬間、右腕に激痛が走る。
一人の刺客の刃が守華の右腕をかすめたのだ。
思わず手に握った刀を落としそうになるが、必死に食いしばって耐える。
「貴愛奈さま…軽く脅すだけですよね?」
貴愛奈は黙って、ただ状況を見守る。
――「キャーーーーーー!」
刺客の一人が、貴愛奈を狙って飛びかかろうとしていた。
守華は瞬時に腰の短剣を取り、その刺客の足元へ投げつける。
短剣は命中し、刺客の動きを止める。
その隙に守華は、貴愛奈たちの前に身を入れた。
右腕からは血が滴り落ちている。
「守華、腕が…」
「このくらい、大丈夫です。すぐに片付けますのでご安心を」
残りは三人。
守華は息を整え、再び飛びかかる。
「今、私が狙われましたよね?」
貴愛奈の声が震える。
恐怖で泣いている侍女も、かすかに頷く。
「話が違いますわ…」
ここで、自分も命の危険に晒されていることを悟った貴愛奈は、ただただ呆然とする。
侍女は泣きながらも、貴愛奈を抱きかかえて守ろうと必死だ。
肩の上から顔だけ覗かせる貴愛奈の視界に、守華が命を懸けて戦う姿が映っていた。
守華は三人の刺客を相手にしつつ、常に貴愛奈たちの様子を確認していた。
すると、また一人が貴愛奈を狙って突進してくる。
守華もすぐに気づく。
貴愛奈の視界にもその光景が飛び込むが、恐怖で体がこわばり、動けない。
「あ、ぶない――」
振り絞るように漏れた声に、侍女がハッと振り向く。
目の前には、刺客が迫り、守華がそれを追う姿がまるでスローモーションのように映った。
侍女は咄嗟に貴愛奈を抱きしめる。
二人はぎゅっと目を閉じ、身を固くした。
間に合わない――
投げる短剣はもう手元にない。
右腕を負傷したままの重い刀を投げることも不可能だった。
守華は地面の石を拾い、狙いをつけて刺客に投げつける。
石が当たり、一瞬の隙が生まれた。
その瞬間、守華は力強くジャンプし、攻撃に転じた。
「殺される――!」
覚悟を決めた貴愛奈は、恐怖で体が固まり、目をぎゅっと閉じた。
―――――――
そっと目を開けると、そこには守華の姿があった。
侍女も慌てて振り向き、守華を確認する。
「守華……?」
貴愛奈は細い声で呼ぶ。
守華は振り返り、優しく問いかける。
「貴愛奈さま、お怪我はございませんか?」
涙を浮かべながら、貴愛奈は小さく頷く。
「なら、よかったです」
微笑んだ守華は、そのまま貴愛奈に寄りかかるように倒れ込んだ。
左胸の少し上には、刺客の短剣が突き刺さっている。
貴愛奈を狙った刺客が飛びかかってきた瞬間、守華は反撃した。
相手の足を斬り、ひざまずいたところに的確な蹴りを入れ、気絶させたのだ。
だが、まだ残りの刺客は二人――。
「誰かー!誰かー!助けて!!」
侍女の叫び声が山中に響く。
自分たちも罠にかけられたことに、恐怖で気づいたのだ。
「守華!守華!!」
守華は目を開け、力強く答える。
「大丈夫です」
貴愛奈に寄りかかっていた体を起こし、左胸に刺さった短剣を自分の手で引き抜いた。
残る刺客は二人――。
守華は刀を拾い、気合を入れる。
「誰か!誰か助けて!!」
侍女の叫び声は止まらない。
すると、たまたま近くを通りかかった者たちや、待機していた侍女や使い人が駆けつけた。
その気配に気づいた刺客たちは、戦わずして姿を消した。
誰かー!誰かー!助けて!!」
山の静寂を突き破るように、侍女の叫び声が響き渡る。
自分たちも知らぬ間に罠にかけられていたことに、恐怖で顔がこわばっていた。
「守華!守華!!」
守華はゆっくり目を開け、力強く答える。
「大丈夫です」
貴愛奈に寄りかかっていた体を支えながら、左胸に深く突き刺さった短剣を自分の手で抜き取る。
血が指先を伝って滴るが、守華は動じない。
残る刺客は二人――。
守華は一呼吸置き、刀を拾い、全身の力を刀に込めた。
「誰か!誰か助けて!!」
侍女の叫び声は止むことを知らず、緊張と恐怖が入り混じった空気が山中に漂う。
その声を聞きつけ、偶然近くを通りかかった旅人や、待機していた侍女、使い人たちが駆けつける。
葉がざわめく音、足音が重なり、場の緊張がさらに高まる。
その気配を察した刺客たちは、一瞬の逡巡の後、戦うことなく闇の中へ姿を消した。
山に残ったのは、守華と貴愛奈、そして駆けつけた者たちの安堵と、少し湿った山の空気だけだった。
守華は、貴愛奈の無事を確認した安堵からか、その場にふっと力を抜き、再び膝から崩れ落ちた。
「守華!」
貴愛奈は駆け寄り、震える守華をしっかりと抱き抱える。
「しっかりしなさい、守華!」
「はい、大丈夫です……」
貴愛奈は涙を浮かべ、声を震わせる。
「あんなに意地悪してたのに、どうしてこんなに怪我をしてまで、必死に私を守ろうとするの!?」
守華は微かに微笑み、真剣な目で答えた。
「今の私は貴愛奈さまの侍衛です。主人を守るのは、私の使命です。それに、これまでのことも、私にとっては意地悪ではなく、貴愛奈さまなりの戯れだと思っております」
貴愛奈はその言葉に胸を打たれ、涙が止まらない。
「それに、今まで一度も表情を変えず、笑顔さえ見せなかったのに……私が無事だとわかった途端に笑顔を見せるなんて、なんで今なのよ!」
守華は柔らかく微笑み返す。
「笑顔を見せれば、貴愛奈さま、少しでも安心されるかと思いまして……」
「こんなときにそんなこと考えないでよ……!」
「貴愛奈さま、申し訳ございません。せっかく素晴らしい眺めを見にいらしたのに、私のせいで楽しめずに……今日はこのまま都に戻るしかないかと」
「そんなのどうでもいいわ!もう喋らないで!誰か、守華を運んで!」
貴愛奈の命令に従い、守華は慎重に馬車へと運ばれ、二人は急いで都へと戻った。




