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守る華・守られる花  作者: ミシル
第一章 蘭

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33/113

33.秘密の誕生日大作戦〜その2〜

門の前で待っていると、元気いっぱいの星曜がやってきた。


「いらっしゃい、星曜!」

「今日も守華の変わった料理、食べられるんでしょ?」

「もちろんよ!今日は星曜のために特別に作ったんだから」

「私のために!?」


守華はにっこり笑ってうんと頷くと、ちょっと悪戯っぽく「ごめんね」と言いながら星曜の目をそっと覆った。


「なになに!?何するのよ!」

少し慌てる星曜の手を取り、守華は優しく握りながら言う。

「ゆっくり歩いてね」


そうして桜音亭の前まで、星曜を案内した。


そこに到着した瞬間、みんなが立ち上がる。


「せーの!」


一斉に目隠しを外すと、そこには華やかに飾り付けられた庭と、花吹雪が舞う中で待つみんなの笑顔が広がっていた。


「お誕生日おめでとう!!」


小心や琉璃が手に持った花吹雪をふわりと散らすと、星曜は目を丸くして周囲をキョロキョロ見渡した。


「わぁー、すごーい!こんなの初めて!」

その笑顔は、守華たちが用意した全ての苦労を吹き飛ばすほどの輝きだった。


「今日の主役は星曜よ。ここに座って!」

守華が手を差し伸べ、星曜を王様席の真ん中に案内する。


小心、白鋭、八軒、琉璃、聡騎も集まり、みんなで笑顔で乾杯した。

お祝いの声が響き渡り、桜音亭は一気に祝賀ムードで満たされた。


少しして、守華の姿がふっと消えていた。


♪〜 Happy Birthday to you

Happy Birthday to you

Happy Birthday dear 星曜

Happy Birthday to you


守華の澄んだ声が桜音亭の庭に響く。

星曜の目は、その初めて聞く歌声にキラキラと輝いていた。


「守華、踊りだけじゃなくて歌もうまいんだね!この歌は?」

「誕生日に歌う歌よ」


守華は小さな手にケーキを抱えて近づく。

現代のような豪華なケーキではない。今の陽月国で作れるのは、ふんわり蒸しパンに、クッキーで作った「19」の文字を飾り、ろうそくを立てただけの素朴な一品だった。


「星曜、このろうそく、一気に消してみて。消す前に願い事を心の中で思うと叶うんだって」


星曜は目を大きく見開き、頷く。

「うん、分かった!」


目をぎゅっと閉じ、心の中で願いをこめる。

そして、ふぅーーーっ。


ろうそくの火は、願いを乗せるかのように、あっという間に消えた。


星曜の顔に満面の笑みが広がる。


星曜がろうそくの火を吹き消すと、守華は手を叩いて改めて「おめでとう」と言った。


「願い事はちゃんとした?」


星曜は少し照れながらも、にっこり。

「うん、したよ。守華、ありがとう…本当に嬉しい」


「守華の手料理も美味しいぞ」

海尭が皿にとった料理を星曜に渡す。


小心と琉璃は花吹雪を舞わせ、紙吹雪が空中でキラキラと舞う。八軒や白鋭、聡騎も笑顔で見守る。

星曜は料理を食べながらも目を輝か庭を見渡す。


星曜は嬉しそうに胸を張り、みんなに向かって深くお辞儀をした。

「ありがとう、みんな!この誕生日、絶対忘れない!」


蘭明も微笑み、守華に小声で囁く。

「守華、ありがとう」

守華もにっこり笑って答えた。

「蘭明の星曜への気持ちも伝わったわよ」


庭は色とりどりの飾りと花吹雪で華やかに彩られ、笑い声や歓声が響き渡った。

陽月国の桜音亭は、皇子たちと守華の笑い声と紙吹雪に包まれ、楽しいひとときを過ごすのであった。

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