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守る華・守られる花  作者: ミシル
第一章 蘭

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30/113

30.年下の小悪魔、蘭皇翻弄!

毒蛇のときのあれも、昨日のあれも…。

いや、毒蛇のときはキスじゃない、毒を吸い出しただけ。

でも昨日のは……完全に、キス、だったよね?


普段どおりに接しているつもりなのに、思い出すと胸がザワザワして落ち着かない。

女子って、キスされたらこんなにも意識しちゃうものなの?


「はぁ~~~~」


机に突っ伏したままため息をつく守華に、横から小心がのぞきこむ。


「フリーダムが来てから、ため息ばかりですね、守華さま」


守華は机に頬をのせたまま、じとっと小心を見上げる。


「いや、フリーダムは関係ないの。ただね……」


「なにかあったんですか?」

琉璃も心配そうに肩に手を添えてくる。


「い、いや! なんでもないのよ!」


慌てて立ち上がり、顔をそむける守華。

このままじゃ気持ちが整理できない――。


「よし! 琉璃、稽古しよう!」


考えるよりも、動く!

守華は自分にそう言い聞かせるように稽古場へ向かった。


そのころ、夏翠が星曜から聞き出した“蘭明の守華への気持ち”を確かめに、蘭明のもとへ現れた。


「蘭皇、早く来てー!」

小さな手で蘭明の手をぎゅっと掴み、ぐいぐい引っ張る。


「えっ、ちょ、ちょっと夏翠、何を…?」

「いいの!大人の蘭皇には私がリードしてあげるんだから!」


周囲をキョロキョロ見渡す夏翠。蘭明は困惑顔。

「一体どこに連れて行くつもりなんだ…?」


「いた!」

夏翠が立ち止まり、小さな体をめいっぱい使って蘭明にベタベタ絡む。


「夏翠、何をする!!」

「ここは私に合わせなさいってば!」

ウィンクまで決めて、すっかり年下の小悪魔モード。


「蘭皇、まだ結婚しないの? それなら私がもらっちゃうから〜!」

チラッと守華を見てニヤリ。

守華は稽古に夢中で、完全無視。


「守華さま、夏翠公主がおみえです」

小心が報告しても、守華はチラッと一瞥しただけ。

「久々に来られましたね」

守華のクールさに、年下の夏翠、さらにムッ!


「どうなの、蘭皇? 私に夢中でしょ?」

「兄弟愛って素晴らしいですね、琉璃。さあ続けましょう」

守華は涼しい顔で稽古を続行。夏翠の怒りゲージ急上昇!


「蘭皇、甘い言葉でもひとつ言ってみてよ!」

小声でせがむ夏翠に、蘭明はうんうんと頷き、そっと手を添える。


「夏翠、私と一緒になると寝不足になるぞ。それでもいいのか?」

「もちろん喜んで!」


守華は流し目で二人をチラリと見て、涼しい顔で稽古場を去る。

「戦無敗の蘭皇でも、守華には勝てないのね〜」

小さな体で頭を振り、手を振りながら帰っていく夏翠。


残された蘭明、ぽかーん。

大人なのに年下に翻弄される姿が、なんともコミカル。

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