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ひらひら 七夕 ひらひら

作者: 紅p

 ひらひら……。

 久しぶりに外に出たら、ひらひら。

 みんな見て!

 私、黄色い ひらひらに、黒のラインが入ってるの。

 とっても綺麗でしょ?

 でも、ひらひらしても飛べないの。

 どうしてかしら?

 みんなみたいに飛びたいのに。

 ひらひら……。

 ひらひらしてたら、私より小さな黒いコが近づいて来た。

 私にはない歯をカチカチさせて。

 そう……。

 そうなのね……。

 あなたは、私を……。

 私は最後に、ひらひらした。

 すると、私より凄く大きな何かが私を助けてくれた。

 そして、私は見た事のない処に連れて来られたの。

 ここはどこ?

 周りに何にも見えない。

 ひらひら……。

 ひらひらしてたら、またあの大きなものが何かをくれたわ。

 何かしら?

 とっても美味しそうね。

 私は、くるくるストローを伸ばしてそれを飲んでみた。

 美味しい……。

 ひらひら……。

 私は、また、ひらひら出来た。

 そして、疲れた私は、ひらひらを閉じて眠ったの。

 ひらひら……。

 お日様の光に、ひらひら。

 私、生きてるんだ……。

 飛べないけれど、また、ひらひら出来る。

 ひらひらしてたら、またあの大きなものがあの美味しい飲み物をくれたわ。

 そして、違う大きなものがお花をくれた。

 お花はいい匂いだけど、私はあの美味しい飲み物をくるくるストローで飲むの。

 ひらひら……。

 飛べないけれど、ひらひら。

 私は飛べないけれど、よじよじは出来るわ。

 だから、真っ白い壁をよじよじ登った。

 少しでもお日様に近づきたかったから。

 ひらひら……。

 白い壁の一番上で、ひらひら。

 お日様が見えなくなるまで、ひらひら。

 お日様は気持ちいいわ。

 でも、暗くなっちゃった。

 どうしようかしら?

 だけど、あのお花をくれた大きなものが私を元の場所に戻してくれた。

 ひらひら……。

 私は、またここで、ひらひらを閉じて眠るわ。

 そうやって、私はここで、ひらひらしていたの。

 ずっと、ずっとね……。

 飛べないけれど、ひらひら。

 お日様の近くで、ひらひら。

 ひらひら……。

 すると、ある時だったわ。

 私、空を飛べたの!

 ねえ、見て?

 私のひらひら、きらきらしてるでしょ?

 お日様はないけれど、きらきらの中を負けないように、ひらひらしてる。

 そして、私のひらひらは沢山のきらきらを引き攣れてる。

 ここは、きらきら光る川?

 それとも、お日様の光がいっぱいの林かしら?

 それとも、きらきら光るお花畑なのかしら?

 何でもいいの。

 そこで私は、ひらひら出来てるから。

 やっと私は飛べたの。

 なのに、お花をくれた大きなものはぽろぽろお水を落としてる……。

 どうしたのかしら?

 ひらひら……。

 ひらひら……。

 分からないけれど、私は、きらきらの中を飛んでいる。

 赤い、きらきら。

 青い、きらきら。

 黄色に白い、きらきら。

 どれも綺麗ね。

 あっちには私のくるくるストローと同じくるくるしている白いふわふわしてるものがある。

 こっちには色んなきらきらしてる動物達がいる。

 ひらひら……。

 ねえ、みんな見て?

 私の ひらひらを。

 ふふっ。

 みんな見てる。

 わたしのひらひらを。

 みんな集まってくれた。

 そうしたら、きらきらしている上に橋が掛ったの。

 すると、その橋の端と端で、誰かが見つめ合ってる。

 二人の目からは、とっても綺麗なきらきらが見えたわ。

 あのお花をくれた大きなものと同じような……。

 でも、その二人のは今まで見たどのきらきらよりも綺麗だった。

 いいなぁ……。

 ひらひら……。

 あのきらきら、羨ましい……。

 ひらひら……。

 ひらひら……。

 えっ?

 あなたは、だぁれ?

 あなたも、ひらひらしてる……。

 でも、あなたのひらひら、とっても綺麗。

 えっ?

 私のひらひらも綺麗、ですって?

 ふふっ。

 嬉しい……。

 ひらひら。

 ひらひら。

 二人でひらひら。

 これからは二人でずっとひらひら。

 あの橋の上の二人に負けない、きらきら光るひらひらを。


 


 

 まずはお読みくださり、ありがとうございました☆

 このお話は少し前に書いたエッセイに登場したアゲハ蝶さんのお話です。

 彼女は私、紅pの家族である【ズドドド、ドンかいじゅう】により、我が家にいらっしゃいました。

 まあ放置してたら蟻さんに食べられてましたし……(汗)

 羽化に失敗し、飛べないアゲハ蝶さん。

 そのアゲハ蝶さんを連れて帰った【ズドドド、ドンかいじゅう】。

 奴は初め、アゲハ蝶さんを我が家の倉庫に連れて行きました……。

 6月の終わりの蒸し暑い日に……。

「馬鹿じゃないの!!」

 そう言った私、紅pはアゲハ蝶さんを私の部屋へ迎え入れました。

 そして、私と彼女との14日間の生活が始まったのです。

 ちなみに彼女の部屋は箱……。 てへへ♪

 生活と言っても大した事はしてないのですが……。

 まあ、室温(25℃)を保ち、朝5時から陽の光を当てる生活をしてただけな私。

 そして、【ズドドド、ドンかいじゅう】による掃除と餌やり。

 これが一番びっくりでした!

 奴は猫の世話なんて一度もした事ない癖に!

 そうやって一緒に過ごしたアゲハ蝶さん。

 【ズドドド、ドンかいじゅう】により、【ひらひらさん】と名付けられました。

 【ひらひらさん】は結構懐いてですね、手によじよじ登ってくるのが可愛かったのです!

 箱から脱走して、カーテンをよじよじしていたのも可愛かった!

 窓の外を見ていたのも可愛かった!

 でも、その窓の外には女郎蜘蛛による巣があったんですけどね♪

 そんな【ひらひらさん】は七夕の日の夜に旅立ちました。

 その【ひらひらさん】に思いを馳せたのが本作品です。

 もし皆様がひらひら飛んでいるアゲハ蝶を見たら、

無事に飛んでいるアゲハ蝶さん良かったね!と思ってくだされば幸いです。





 

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― 新着の感想 ―
素敵な物語ですね。 お人柄がにじみ出ています。 えっ? 【ズドドド、ドンかいじゅう】さんのことですよ そして紅pさんは【ズドドド、ドンかいじゅう】さんを優しく見つめるさらに慈悲に溢れたかたであろうと …
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