表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

"まれーふぃか"になる少女

作者: ヤイロ

あるところに魔女と悪魔がおりました。


彼らは三人の子宝に恵まれていました。


長男は魔女と悪魔の子という重圧から逃れるため、無難で平凡を装う器用な子に育ちました。


長女は魔力が豊富で思うだけで大体のことが行えたため、少々めんどくさがりな少女に育ちました。


次女はというと、まるで自分が世界の中心なんじゃないかと言うが如く少々強引な子に育ちました。


父も母も彼女を強く制限することはなく、兄と姉は大変甘やかしたからです。


五歳になる年の春、転機が訪れます。弟ができたのです。


それもいっぺんに二人も!


一人は魔女のお腹の中に。もう一人はなんと、自分と同じ歳の男の子でした。


男の子は悪魔とも魔女とも違う、けれども十分に綺麗な容姿をしていました。


ただ残念なところは、表情に乏しいところでしょうか。


どうやら大きい弟は、元々いたお家では居ない子として扱われていたそうです。


この子が見えないなんて、よほどおめめが悪かったに違いありません!


次女ちゃんは、大きい弟をいつかにっこりさせてやろうと決めました。



なんてね。

居ない者として扱うってのは視力とは関係ないが見る目がなかったのは確か。


副題:あたし、おねーちゃんになった!


 わたし(わたし)()あーうぇるさけ(アーウェルサ家)()じじょ(次女)として(として)このよ(この世)()せい()()うけた。(享けた。 )


 わたし(わたし)()かぞく(家族)()よにん(四人)だったの。(だったの。 )


 うるさいけど(妹思いの)やさしい(優しい)おにーちゃん。(お兄ちゃん。 )


 のん(面倒くさ)びりし(がりだけど)てる(優しい)おねーちゃん。(お姉ちゃん。 )


 へんな(ちょっと変わってる)まま。(お母さん。 )


 おっきくて(背が高くて)かべ()みたいな(みたいな)ぱぱ。(お父さん。 )


 だけど、(だけど)さいきん(最近)おとーと()()できた!(できた!!)


 ままのこ(お母さんが生んだ)じゃない(わけじゃない)けど。(けど。 )


 なかよくしてね(仲良くね)って(って)みんな(家族)()ゆった(言った)から、(から )なかよく(仲良く)するんだ!(したげなきゃあね!!)


あたし(わたし)()おねーちゃ(おねーちゃん)だよ!(だよ!!)


 だって(だって)わたし(わたし)()さき()()このおうち(この家)()いたんだもんね!(いたからね!!)


 そーゆったら、(そう言ったら)したをむいて(俯いて)だんまりしちゃった。(黙っちゃった。 )


 はずかしがりやさん(恥ずかしがり屋さん)なんだ!(なんだ!!)


おにわ(お庭広す)、ひろ(ぎて迷っち)いから(ゃうから)あんない(目印とか)したげる!(教えてあげる!)


「っ!」


 おてて(手首を)つないだら(掴んだら)なんだか(なんか)びっくりしちゃった。(驚いてた。 )


どしたの?(どうしたの? )


「なん……でも、ないです」


「ふぅん?」


 へんなこ!(不思議な子。 )


 あ、わかった!(あ、そっか!)


 はずかしがりさん(恥ずかしがり屋さん)だから(だから)おてて(手を)ぎゅって(繋いで)してって(欲しいって)いえなかったんだ!(言えなかったんだね。)


 わたしってば、(さっすがわたし!)さっそく(早速)おねーちゃん(おねーちゃん)できてる!(出来てる!!)


おねーちゃ(おねーちゃん)()きょ(今日)から(から)ぎゅって(手を握って)したげる(あげる)からね!(からね!!)


 ってゆったら、(って言ったら)ないちゃった。(泣いちゃった。 )なんで?(どうしてだろう ? )


 おにーちゃん(お兄ちゃん)()おとーと()()おかお()()ふいてる(拭う)のを(のを)みてたら、(見ていたら)おもいだしたの。(思い出したの。 )


 おにーちゃん(お兄ちゃん)()いつも(いつも)ゆってた。(言ってた。 )いもうと(下の子)()なかす(泣かす)のは(のは)おにーちゃん(お兄ちゃん)じゃない、(失格)だって。(だって。 )


あれ、(もしかして)ぎゅって、(手を繋ぐの)()だった?(だったの?)


 ……おねーちゃん(おねーちゃん)できてなかった?(失格? )


「……いやじゃないです」


 でも、(でも)おとーとはなんだか(なんだか)こまってる。(困った顔。 )


 そしたら(見かねた)おにーちゃん(お兄ちゃん)()


「嬉しかったんだよね」


 って(って弟の頭)ゆったの。(を撫でた。 )そんで、(そして)わたし(わたし)()かお()()ぬのでふいた。(涙を拭った。 )


そなの?(本当に? )


(ほんとだよ)


 おねーちゃん(お姉ちゃん)()うなずいて、(頷いて)わたし(わたし)()あたま(頭を)なでなでした。(撫でた。 )


「うれしい、です。ほんとに」


 ちっちゃい(小さい)こえ()で、()おとーと()()そーゆった。(そう言った。 )


なら(それなら)よかった!(良かった!!)


 ちょっと(ちょっと)おはな(鼻水)でちゃったから(出ちゃってたから)あんまり(あまり)かっこ(格好)よくない(つかなかった)けど。(けど。 )


 でも(でも)おとーと()()うれしい(嬉しい)なら(なら)きにしないもん!(良いの! )


 おねーちゃん(お姉ちゃん)だから(だから)ね!(ね!!)


 あ、(そうそう)もうひとり(もうひとり)おとーと()()まま(お母さん)()おなか(お腹)()いるんだよね。(居るんだよね。 )


ねー、(ねー )まま!(お母さん) こっち(こっち)()おとーと()には()いつ(いつ)あえる?(産まれてくる?)


「この子はねー、この日に北部の不可侵領域の(『黒い人』のお家)森で産むからねー」


 だって!(だって!)


 まま(お母さん)()おなか(お腹)()おとーと()にも、(にも )はやく(早く)あいたいな!(会いたいな! )


 どんなこ(どんな子)かな?(かな? )


 たのしみ!(楽しみだね! )



次女ちゃん(あの子)、頑張ってお姉ちゃんやろうとしてるね」


「ん、次女ちゃん(あの子)の、良いとこ」


「そうだね」




*おまけ*


「でも、あの魔力ぎっちりの腕をよく掴めたね?」

(頷く長女)

(解説:次男の腕は魔力が飽和状態で、いつ爆発するか分からない爆弾みたいな状態)

「だいじょぶだよ! あぶない(そーゆー)ときはうんめーがぶわーってなるから」

「うんめいが」

「ぶわー…?」

(顔を見合わせる長男と長女)

「うん!」

少々強引(わがまま)だった少女が

"おねーちゃん"とはなんぞやを考えるようになって

頼れるお姉ちゃんになる

というおはなしの序章をイメージしました。


ちなみに次男は年明け前生まれ。次女は初夏生まれ。年度が始まるのは秋なので学年が一つずれる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ