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7話 無能

その声が響き終わると、周りは爆笑し始めた。

「いやいや、初級すら出せないとかwwwマジ使い物にならねーなww」真野は相変わらずだがクラスメイトのみんなも「うそでしょw」「可哀そうにww」「どう暮らしていくんだあいつww」そんな声が辺りからずっと聞こえていた。

「初級の魔術スキルが打てないとなると、もしかすると攻撃系のスキルなら打てるのではないでしょうか。基本ファイヤは全員覚えていますが、転生者という事もあり弊害が生じたのでしょう。こちらの剣をお取りください」

王女から木製の剣を渡された。少しぼろい。

「こちらの剣を振った時にスラッシュと声を出してください。攻撃スキルが長けているなら出ると思います」

僕は少しぼろい木製の剣を握りしめ、精一杯声を出し剣を振った。

「スラッシュ!]

僕の剣からは何も出ず、ただ空を切っただけだった。。

その現状を見たクラスメイトはまた笑い、王女も失望の目を向けていた。

俺は魔法スキル、攻撃スキル共に発動しなかった。異世界に来てもしかしたら他とは違う最強のスキルを手に入るかもしれないとウキウキだったが現実は甘くなく寧ろ厳しすぎる程だった。この状態で追い出されたら間違いなく死ぬ。でも昨日の会話から確実に追い出される。終わりだ。

俺は何もかもに絶望をしていた。竜馬が居れば何とかなるかもしれない。でもずっと頼ってていいのだろうか。俺は竜馬の荷物でしかなくなってしまう。俺はずっとお前と共に並びたがったが常にお前の後ろにいた。この異世界で少し期待をしたが勇者と無能。差は歴然だ。でもいつか必ずお前と共に戦いたい。

そんな夢物語を思い描いていると、王女がしゃべりだした。

「皆様、各々スキルの練習をして頂いてよろしいでしょうか?私は少々前澤様とお話してきます。くれぐれも魔力枯渇、身の丈以上のスキルはお気をつけて」そう全員に告げると俺のほうに顔を向けた。

「では前澤様、少しお話を」そう言われると俺は抵抗する気力もなく黙ってついていくしかなかった。

黙ってついていくと、最初に呼び出された王の間に着いた。

「ここにお父様がおります、王からお話があります。」王女はそう告げると王の間の扉が開いた

「その様子だと、スキルの恩恵を得られなかったようだな」

「はい、そのようでございます。魔法、攻撃共にダメでした」

「そうか、時に前澤よ。我らはお主たちを呼び鍛え上げて、魔物、魔人、果ては魔王の討伐に向かえるほどにしようとしたが、スキルが使えないとなるとさすがに私たちも面倒が見切れない。勝手に呼び出しておいてすまないが、ここから出て行ってもらえないか。」

やっぱ追い出されるよな。。この先どうしよ。というか竜馬にはどう説明しようかな。もう会えないか。

「はい、わかりました」もはや俺の目には生気は宿ってなかったと思う。

「そうか!物分かりがよくて助かるぞ、お詫びとしては何だが多少の金貨を授ける。わずかな期間ではあったが、また会えるとよいな」そう笑顔で言われ追い出された。あの笑顔、邪魔者を追い出せてよかったという笑顔だろうな。腹ただしい

俺は、全く知らない土地で一人で生きていかないとという決意を決め王宮の門を抜け、城下町へと下りて行った。


読んでくださりありがとうございます!!

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