5話 静かなる怒り
すみません。やっぱりあのタイトルだと不都合なので少し変更させていただきました!!
(処分?いったい何の話をしているんだ?)
俺は部屋の場所を聞こうと思っていたが、静かに扉の前に立ち王たちの話を盗み聞きした。
「何もかも不明など前代未聞だ。あんな奴不気味すぎる、大体本当に転生者なのか?魔族が成りすましているとかないだろうな」そんなわけあるか。。
「いいえお父様、彼は確かに転生者です。明日の稽古の際に、皆様にスキルを発現するためのやり方などを伝授いたしますのでそこでもし発現されなければただの屑という事ですわ」酷い言われようだ。みんなの前では猫をかぶっていたのか。
「コーランの目から見てどう思った。」
「はい、彼からは何にも感じることはありませんでした。本当に何も。農民ですら少なくとも微量な魔力などを感じますがそれすらも」
「ほう、では彼は本当に何も得られずこちらに来たのか。たくさんの魔導士を雇いお金をかけやっとの思いで呼び出した中に屑が居るとすれば王家の名が廃る。」
「国中の者は召喚の儀で呼び出されるのは30人という認識でいます。そもそも規定外の人間なので処分してしまえば王宮内だけで留めることができますわ」
おいおい嘘だろ、明日何も出来ないと処分されんの俺、、ありえないだろ。
「では明日、何も発現できなければ何かしら理由をつけて追い出してしまおう、それにあやつの周りの奴らは仲良くなさそうに見えたしな。問題あるまい」王達はその決定をした後、ひそかに笑っていた。
(この国の王たちは性格悪いなんてレベルじゃない、自分たちの保身さえすればいいという考えかよ、狂ってる)俺は国に失望を覚えながら、ただその場から立ち去るしかなかった。
王宮を回っていると小林さんに偶然会った。
「あ、小林さん!ちょうどよかった、自分の部屋の場所が分からなくてさ、教えてくれない?」そうラフに聞くと小林さんは少し不機嫌そうに「いいよ」と案内してくれた。
部屋までの道中会話はない。いつもあんなに優しいのになんだか今日は怖い。
「小林さん何かあったの?」
そう聞くと小林さんは、「ううん何でもない」そうそっけなく返事した。
絶対何かあるはずだ「本当に?俺でよければ相談乗るよ?」そういうと小林さんからとんでもない返事が返ってきた
「じゃあさ、もう竜馬くんと関わらないでくれる?」え??
「突然どうしたの??」
「クラスで優しくしてたのも竜馬君と付き合うためのポイント稼ぎだったけど今は勇者と賢者として一緒に行動できるようになったし、もうぶっちゃけ君に優しくする必要ないかなって」
俺はポイントの為に優しくされてただけという事実に驚き不思議と涙が出てきた。
「あ、このこと竜馬君に言ったら許さないから。まあ明日は私たちと君は別の場所で訓練だし君はどうせ追い出されるからね」そういうと無邪気に笑った、その笑いは僕の心にグサッと刺さった。
それに「俺が追い出されるって?」「あー王様に呼び出されてたじゃん私と竜馬君。その時に軽く説明されてたの、竜馬君は反対してたけど、王様の決定だしまあ明日でバイバイでしょ」
そう言い放され、呆けていると「はい京太君の部屋だよ、じゃ私帰るね」
そう言うと彼女はさっそうと帰っていった。僕は部屋に入りぶつけどころのない怒りで静かに泣いた。王からは邪魔者扱い、小林さんからの優しさも全て演技。
「なんだよ。勝手に呼び出して邪魔者扱いとか、じゃ俺を現実に帰してくれよ。母さんに会いたい。急にいなくなって心配してるだろうな。竜馬以外の初めての友達だと思ってた小林さんからも邪魔者扱い。もう誰も信用できない。」明日ですべてが決まる。絶対に全員を見返してやる。そう心に決め俺は眠りについた。
読んでくださりありがとうございます!!
この二日に一回の更新ペース。もう少し早くしたいんですけどなかなか時間が取れなく、、サブタイトルが内容よりも難しく感じます。。サブタイトルの付け方も変えようか検討中です。色々変更がありすみません。。