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アウェイクニングワールド
今日はいい天気だと私は思う。
周りは嫌な天気だと口々に言うけれど、
雨音や空模様でさえ心踊る。
あまり共感してもらえる感性でないことは、
もう理解できてはいる。
それでも、私が観る世界は愛おしいと思えた。
日々を彩る日常は、
色褪せることはないと思っていた。
それは勘違いで、
そうあろうと努める力が、
働き続けることで成り立つ仕組みだと、
まざまざと見せつけられた。
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
「逃げろぉぉ!!!」
「警察に連絡だ!!!!」
「何だ、あいつ!キチガイか?」
「救急車を呼べ!!」
「大丈夫か!!」
目の前の光景は現実なのだろうか?
白昼夢でも視ているのではないのか?
狂人の叫びも、
級友の脇から溢れ出る命も、
衆人の阿鼻叫喚も、
先刻の不可思議な級友の行動も、
何もかもが、
今までのあたりまえを、
容易に破壊する。
突如として訪れた様にしか映らない地獄絵図は、
来るべくして起きた必然であると認識できず、
呆然と立ち尽くし、
己が無力を噛み締めている。