第9話 ここで生きていく。 アマリア
目が覚めた時、一番最初に目に入ったのは焚き火だった。
どうやら、原因はわからないが倒れたらしい。
火は消えていないから、そんなに長くは倒れていた訳ではないらしい。
こんな状況で倒れていたら、そもそも命が危なかった。
そう思って、身体を起こして周りを見た。
狼型の魔獣達に荊棘のツタが絡んで絞め殺されていたり
口から入り、背骨当たりから突き出ていたり
俺の周りは俺を守るかの如く荊棘のツタが張り巡っていた。
血は、荊棘から吸い上げている最中なのか
荊棘が脈打っていた。
そして、その俺を守っている荊棘のツタの最終点には
綺麗な紫色のドレスを着ていてそのドレスのスカートの先は足ではなく
無数の荊棘のツタが出ており上半身は少女という格好の人?
が俺の側にいた。
「目覚めましたか、ご主人様。」
笑顔で俺に問いかける、少女。
「君は??」
「アマリアです…」
アマリアはピンク色のセミロングの髪の毛先を回しながら
恥ずかしそうに答えてくれた。
「アマリア??あの赤い花の??」
「はい、ご主人様からお力を頂きましたので、進化して元気です…」
まるで、ごめんなさいと言いたげな雰囲気を醸し出しながら小さな声で伝えてくれた、アマリア。
「大丈夫、驚いただけだから」
近くに座り、目を合わせるようにしゃがみ込み、頭を撫でながら言った。
「進化したの?」
「はい、進化してご主人様と一緒にいても大丈夫な姿を望みました…」
目を伏せながら、気持ちを伝えてくれるアマリア。
「そっか、それとありがとうな」
「えっ…?」
「魔獣から守ってくれたお礼はまだ言ってなかったからさ」
「眠っているご主人様を守るのは、当たり前です!…」
強い語尾で言ったからか恥ずかしさが勝ったのだろう
また、目を伏せたアマリア。
「いや、アマリアのお陰で元気に起きれたよ!」
「はい!」
嬉しさいっぱいの返事を返してくれたアマリア。
「俺がどのくらい倒れていたの?」
「少し長くは倒れていたましたがこいつらが襲ってきたの倒れてすぐくらいでした。」
「そうやって、倒したの?」
アマリアのスカートの先から無数の荊棘のツタがタコのように広がって張り巡っていた。
「はい、これを使うのが一番慣れていますから。」
「アマリアはすごいね!」
「すごくないです…………」
そう言いながらも、嬉しそうなアマリア。
「進化か、どうやって進化したかわかる??」
「えっ、名前をくれたじゃないですか?」
やっぱり、名付けってそういう効果あるんですね!!
『全く、突然恐ろしいことをするの〜お主は』
紅竜の声も聞こえた。
「知らなかったけど、俺に何か問題でも出るのかな?」
不安に思いながら赤竜に問いかけた。
少し間が空いて
『思ったより、魔力も持ってかれてはおらぬから、大丈夫なはずじゃ』
『ただし、ポンポンつけるようなら今後は知らんがな』
まるで、俺がこれからもポンポンつけるかのように言って笑っているように感じる紅竜。
多分、大丈夫だと思う!
多分…。。。(汗
「面白かった!」「続きがきになる」と思って頂けたら
評価やブックマークをして頂けると、すごく嬉しいです!!