84話〜真実と承諾
ガルドはマルティスから理由を聞き……。
ここはモルケノフの書斎。室内には重い空気が漂っている。
モルケノフはガルドに視線を向け重い口を開いた。
「ガルド様。これは確定したことではない。だが、マルティスが調べた書類をみる限り間違いないと思っている」
「それって俺の身辺を調査したってことか? だが、なんのために」
そうガルドに問われモルケノフが答えようとするとマルティスはそれを制止する。
「お待ち下さい。調べたのは私……です。お許し頂けるのでしたら、ご説明したいのですが」
「うむ……確かに、お前の方が良いかもしれんな」
それを聞きマルティスはモルケノフに軽く頭を下げた。
「モルケノフ様の許しを頂けました。そういう事ですので私から、ご説明させて頂きたいと思います」
その後マルティスは、ガルドの問いに答えながら説明をしていく。
その話を聞き終えたガルドは不機嫌になりマルティスとモルケノフを睨んだ。
「なるほどな。だが、もしそうだったとしてだ。なんで俺が神と契約したあと急に探し始めた?」
「いえ……急ではないのです。前々から探していました。偶々国王さまが書庫でガルド様の……」
「それは、さっき聞いた。親父が前王の息子で、その所在の書かれた書類を書庫でみつけて」
難しい顔でガルドは思い悩み無作為に一点をみつめる。
「何を悩まれておられるのですか? 間違いなくガルド様には、この国の王となる権利があります」
「じゃあなんで直接、王に会わせねぇ。それに今回の依頼を?」
「そのことなのですが……本当に申し訳ありません。知らないままの方が自然体のガルド様の実力をみれると思い。それと国王様にも……」
一瞬マルティスは言葉に詰まったが、ゴクリと唾をのみ込み再び話し出した。
「……このことは秘密裏に動いておりました。ですが――……」
なぜ秘密裏に動いていたのかをマルティスは詳しく説明する。
「そういう事か、じゃあ聞くが……もし俺が断ったらどうする?」
「ガルド様……まさか、この件から手を引くと?」
「ああ……俺がそうだとしてだ。今更……いや、なんで世継ぎ争いまがいのことに首を突っ込まなきゃならねぇっ!!」
余りにも身勝手すぎる発言に怒りガルドはマルティスを、キッと睨んだ。するとマルティスは、その気迫に押されそうになる。
「申し訳ありません。ガルド様が怒られるのもごもっともです。ですが、このままでは……」
「んー……そうだな。俺は王になんかなるつもりはねぇ。だが、まあ手伝いならいいか。それで良ければ、この依頼を受ける」
「それでも問題ない。だが……次の王を誰にするかだ。できるならばゼプトルスの息がかかっていない者を……」
俯きモルケノフはそう言い悩んだ。
それを聞きガルドは思考を巡らせた。
(誰をか……この国のことを俺は何も知らねぇ。そうなると……)
深呼吸をするとガルドは口を開き話し始める。
「仕事をしながらでいい。この国のことを教えてくれねぇか?」
「ええ、それは勿論です。ですが、どうするのですか?」
「俺にも次の王を選ぶ権利があるなら、と思ってな。ただ提案程度しかできねぇが」
それを聞いたモルケノフとマルティスは、なぜか涙を流し喜んだ。
だが話は、これだけで終わらない。そうジルフォードの件もあり、まだ話は続いたのだった。
読んで頂きありがとうございますo(^▽^)o
『おい! 前話から何年経ってんだ。いい加減、何をやってたんだか忘れただろうが!?』…byガルド
『申し訳ありませんm(_ _)m……』…by作者
と、いう事で……σ(^_^;)
次話もよろしくお願いします(^-^)v







