79話〜ジルフォード再び目撃される{★}
ユリィナ達は街路を歩いていた。するとビスカはジルフォードが城の方へと歩いているのを目撃し……。
ここはシャインスプラウトの城下街。
この街には、約数百万もの人がいて平和に暮らしている。
そしてその人々の中には、この国でしか学ぶことができない錬金術を求め、他の国からこの街へと移り住む者たちがいる。
そのため錬金術で試験的につくられた物や未完成品などが、建物の至るところにあり無造作に置かれていた。
あれからユリィナとビスカとマリアンヌとジェシカは、必要な物を揃えるため、転々と店をみて歩いていた。
そしてユリィナ達は、装飾品の店で買い物をすませ外にでると、街並みを眺めながら話し歩いている。
「それにしても、国がちがうと。街並みや風景、建物や文化までもが。こうも、かわるのですね」
そう言いマリアンヌは、目を輝かせながら、まわりを見渡した。
「マリアンヌ。ええ、そうね。それに、街路や城までの道だけど。シェイナルズは急な坂が多く、そのうえ道がクネクネしているから疲れる」
そう言い立ち止まとユリィナは、通ってきた道を振りかえり、ふたたび話しだした。
「それに対し、シャインスプラウトの場合は、坂がゆるやかで歩きやすいのだけど。かなり道が複雑に入り組んでいて、これだと迷子になると思うのよね」
「確かにそうだ、ね!?」
そう言いユリィナの方を向いたその時、遥か先の方にジルフォードの姿がみえビスカは驚いた。
するとビスカは、ジルフォードにみつかるとまずいと思い、すかさずユリィナとマリアンヌの腕をつかみ駆けだした。
そしてビスカはそのまま、近くの建物と建物の間にはいる。するとジェシカは、わけが分からないままユリィナ達のあとを追った。
「ビスカ。いきなり、こんなところに隠れて、どうしたの?」
「ユリィナ。ハァハァ。それがね。城の方角に、ジルフォードの姿がみえたから」
「それは大変ですわ!これは急いで、ガルド達に連絡しなければなりませんわね」
マリアンヌはバッグの中から、通信用の水晶を取りだした。
「じゃ、私とユリィナとジェシカとで、ジルフォードがこっちにこないか様子をみてるね」
するとビスカはユリィナとジェシカと共に、建物の隙間からのぞきジルフォードの監視をはじめる。
そしてマリアンヌは、水晶を手にするとガルドに思念をおくった。
一方ガルド達は、武器と防具の店で買い物をすませ店をでると、他の店に向かっていた。
するとガルドは、ポケットの中の通信用の水晶から魔力を感じとり立ち止まる。
「おい!2人共。ちょっと待ってくれ」
そう言われ先を歩いていたマグドとレフィカルは、どうしたのかと思い立ち止まるとガルドの方を向いた。
「ガルド、どうしたんだ?」
マグドはそう言いながら、ガルドの方へと歩みよる。
そして、レフィカルもガルドの側まできた。
「今、この水晶から魔力を感じた」
「それって、誰かが思念をおくってるんじゃ」
レフィカルは、真剣な面持ちでガルドをみる。
「レフィカルの言う通りだ。もしかして、ビスカ……いや、ビスカ達の身になにかあったんじゃないだろうな!」
そう言いマグドは、ものすごい勢いでガルドに詰めよった。
「おい、マグド!落ちつけ。それに、まだ水晶に触れてもいねぇ」
「そうか。すまないガルド。……」
そう言いマグドは下を向きビスカのことを心配しながら、ガルドが話し終えるのを待った。
そしてガルドは、ポケットの中の通信用の水晶に手を添えると思念をおくる。
すると、マリアンヌの水晶と繋がった。
“……ガルド。聞こえてますか?”
“ああ、聞こえてる。その声は、マリアンヌか?”
“ええ。そうですけれど。それよりも大変なの”
“大変って。いったい、なにがあった?”
そう聞かれマリアンヌはジルフォードが、このシャインスプラウトにきていて、城に向かっていることをガルドに伝える。
それを聞いたガルドはその後、通信を切るとマグド達にそのことを話した。
「ガルド。そうなると、急ぎモルケノフの屋敷にもどった方がよさそうだな」
「そうだな。ジルフォードにみつかれば、面倒だしな」
「ですね。きのうのこともあるし」
そして3人はジルフォードを警戒しながら、モルケノフの屋敷へと急ぎ向かった。
その頃ジルフォードは、ひたすら城に向かって歩いていた。
「このシャインスプラウトに、ガルド様がおられればよいのですが」
ジルフォードはガルドを探しながら、キョロキョロと辺りを見回している。
(ガルド様は、街におられませんでした。という事は、やはり城かモルケノフの屋敷のどちらかにおられるのでしょうか?
まぁどの道、挨拶をしなければなりませんので、このまま城へ向かうつもりではいますがね)
そしてジルフォードはそう思いながら、さらに急ぎ城へと向かった。
(しかしながらガルド様は何故、私をみると逃げるのでしょうか?
そうですねぇ。今、考えていても仕方ありませんし。ガルド様に会うことができた時にでも聞くことにしましょう)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
『やはり気になりますねぇ。何故ガルド様は、私から逃げるのでしょうか?』…by,ジルフォード
『……ジルフォード。それは、よく考えれば分かることだと思うよ』…by,作者
『ハァ……。( ˘•૩•˘ ).。oஇそれが考えても分からないのです。ただ、シェイナルズにきていただきたいだけなのですが』…by,ジルフォード
『……そうだね。(ー∀ー;)……(流石に言えない。それが嫌だからじゃないの。とはね)』…by,作者
と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)







