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75話〜回想と段取り

ガルドは昔の事を思い出そうとしていた。


マルティスは城に赴き、ガルド達が潜入しやすくする為に必要な手続きをしていた。


そしてマリウスは魔族領土エクスダールの北東部にあるガーディルの街に来ていた。

 ここはモルケノフの屋敷。ガルドは部屋でマルティスを待ちながら色々と考えていた。


「あの時、狙われたのは親父だったと、後で村長からそう聞いた。だが、何で親父が狙われたんだ?」


 ガルドは昔の事を思い出そうとしていた。



 ……あれは多分、俺が10歳ぐらいの頃だったと思う。


 その頃のシェイナルズは何処かの国と戦争をしようとしていた。


 その為、各村や街から兵士を募って歩いていた。いや、半ば無理やりだったらしいが……。


 親父と母さんが死ぬ数日前、俺は親父と母さんと家の中で話をしていた。


 そこにいきなり数人のシェイナルズ兵が入ってきて、親父を見るなり何かを言っていた。


 その後、親父と母さんは1人の兵士と言い合いを始めた。


 その時、俺は母さんの後ろに隠れていた。


 そういえば、あの時、確か……家に見知らぬ男が入ってきて兵士と話していた。……あれは誰だったんだ?


 その数日後、村が何者かに襲われ、そして親父と母さんは村を守る為そいつらと戦った。


 その時、母さんは親父と俺を庇い死んだ。


 そして親父もまた俺を庇い死んだ。……でも、何であの時、俺は助かった?


 うっすらとしか記憶にねぇが。あの時、あの場に親父と母さん以外に誰かいた様な気がするんだが思い出せねぇ。


 ……親父は死ぬ間際、俺にシャインスプラウトと何かを言って死んだ。



(やっぱり、思い出せるのは、このぐれぇだ。だがあの時、親父と母さんと一緒にいたもう1人は誰だったんだ?)


 ガルドはそう思い考え込んでいた。



 一方マルティスは、ガルド達が城に潜入する為、各持ち場の手続きをしに城に赴いていた。


 そして各責任者にガルド達の書類を渡すと城を出てモルケノフの屋敷へと向かった。


(これで手続きは無事済みました。後はガルド様達にこの事件を解決して頂くだけです)



 場所は移り、ここは魔族領土エクスダールの北東部に位置するガーディルの街。


 この街は、キリア城から離れ、岩山に囲まれているせいもあり、国の管理が行き届いておらず、ずさんな有様で皆好き勝手に過ごしている者が多かった。


 だが、この街を牛耳っている者がいた。その者の名は、ガイル=エンリケと言い、この街のボス的な存在だ。


 キリア城では年に一度、魔族間での争いを避ける為、魔法や武術や剣術などを用い1対1で戦う、魔闘武技と言う大会を行っている。


 そして、毎年選りすぐりの強者相手に優勝し続けているガイルのその力に恐れ怯え、この街の者は誰1人として逆らう者はいない。


 魔族特有の浅黒い顔の色、耳は人間とは違い尖っていて、黄色の瞳でいつも睨み怒っている様な顔をしている。


 ガイルは、人には見えない黒い小さな尻尾が生えている。


 そして魔族は背中に人には見えない黒い小さな羽を持つ者と黒く細い小さな尻尾を持つ者と2つのタイプに分かれる。


 どちらも魔力は人間以上だが、人には見えない黒い小さな羽を持つ方は知力に長けていて、人には見えない黒く細い小さな尻尾を持つ方は武力に優れている。


 本来ならこの2つのタイプに分かれるのだが、かつて突然変異的にこの2つのタイプの者が現れた事があり、その者はその他に異能な力を持ち、このエクスダールを支配し魔族の王となった。



 そして、ここはガイルの屋敷。ガーディルの街の北北東側にガイルの屋敷がある。屋敷はぶ厚い岩壁で覆われ、門には部下を配置し屋敷を守らせていた。


 ガイルは自室の机の上に置いてある写真を見ていた。


「……フゥ、あの馬鹿娘が。今頃、何処で何をやってやがる」


 ガイルがそう言った後、ノックし扉を開け1人の魔族の女性が入ってきた。


「ガイル様。マリウスが至急、話したい事があるとの事ですが、如何致しましょうか?」


 この魔族の女性はネフィアと言いガイルの部下である。


「ネフィア。マリウスがきたか。ああ、構わん通せ!恐らくいつも通り、売買の許可を取りに来たんだろうからな」


 そう言うとネフィアは、軽く頭を下げ部屋を出てマリウスが待つ部屋へと向かった。


 そして、数分後マリウスがガイルの部屋へと入ってきた。


「ガイル様。お久しぶりでございます。相変わらず、お元気そうで何よりでございます」


「ああ、マリウスお前もな。お前の用とは、いつもの売買の事か?」


「はい、その事もあります。ですが、実はジーク=ルドルセフを連れシャインスプラウトに再度赴きたいと思い、その許可を取りに来た次第でございます」


「なるほど、ジークをな。まぁ、奴を連れて行くのは構わんが。ただ、お前に奴の扱いが出来るとは思えんが?」


「それでご相談なのですが。ガイル様の命令ならば、あのジークも大人しく、私めのいう事も聞いてくれるかと思い」


「なるほどな。何の為にと聞きたい所だが。お前の事だ相変わらず悪巧みの為なのだろうが。 まぁ許可して問題ねぇだろう」


 そう言いガイルは、引き出しから紙を取り出しジーク宛てに手紙を書きマリウスに渡した。


 マリウスはそれを受け取り軽く頭を下げ部屋を出ると、街の中心部へと向かった。


 ガイルはそれを確認すると、机の上に置いてある写真を見ていた。


「それにしても、この写真と言う物は良くその者の姿を写してやがる。バゼルの奴は良くこんな物を作る事ができたな」


 そうこの写真とは、写映水晶と言う物を使い特殊な紙に姿や物などを写した物である。


 バゼルと言う魔族の男は知力に優れ、色々な事を研究する事が好きであらゆる本を読んでいた。


 そんなある時ふとある事に気付き考えた。そう魔法を使い水晶で映し出す事が出来るのであれば、それを水晶で映し出し何かに写し残す事が出来るのではと。


 そして、あらゆる本を読み研究し水晶を使い写映水晶と言う物を作った。


 そしてバゼルは、ここガーディルの街の南西部の辺りに工房を建て、更に研究を重ねている。



「まぁ、バカ娘のレヴィはその内みつかるだろう。手配はしてあるからな」


 そう言うと写真を机の上に置き目を瞑り腕を組み考え込んでいた。

読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)


『ガイル様の許可を得る事ができた。これで、ジークを連れシャインスプラウトに行く事ができる。……だが、奴を使うにあたり少々問題はあるがな』…by,マリウス


と、いう事で…o(^_-)O


では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)

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