72話〜互いの思惑
ブレインは引き出しの中から手紙を出し読んでいた。
ビスカはモルケノフとマルティスの事でガルドと部屋で話をしていた。
ここはシャインスプラウト城。ブレインはしばらくゼプトルスと話をしていた。その後ゼプトルスは話を終えると書斎を後にし自分の屋敷に戻っていった。
(ゼプトルスはいったか。あれが来ると話が長くなり、どうも疲れるのだが。……うむ、今城で何が起きている?まぁこの事はモルケノフに任せてあるので大丈夫だろう。)
そう考えながらブレインは、机の引き出しから手紙を取り出し読んだ。
(……父上が残したこの手紙を何度も読み返してはみたが。私には腹違いの兄がいる。それもその母親はこの城に仕えていた侍女と書かれていた。だが、その母親は行方不明。そしてその子供も何処にいるか分からない、か。)
ブレインは席を立つと外の景色を眺めながら、
(この事をモルケノフに調べさせているが。まさかとは思うが、賢者ジェニス=ハオンが神から聞いた神と契約し新たな王となる者が、もしかしたら私の兄の子供かもしれぬ。だが、確証がない。その事について何処まで調べがついているのかを、モルケノフに聞きたかったのだが。ゼプトルスが来たため聞く事ができなかった。)
そしてブレインは席につき手紙を見ていた。
場所は移り、ここはモルケノフの屋敷。ガルドは部屋で城内に潜入する為、必要な荷物が揃っているか整理をしながら確認していた。
(……そういや、携帯用のフライパン壊れたんだったな。この街に使いやすい物があればいいが。)
そう考えていると扉をノックしビスカが入ってきた。
「ねぇ、ガルド。ちょっと気になる事が、あるんだけど。」
「ん?ビスカどうしたんだ。」
「ん〜さっきモルケノフとマルティスの心の中を探ってたんだけど。結局何が目的なのか分からないのよね。だけど、ちょっとだけ読めた事があるんだけど。」
「ビスカ、また人の心の中を読んだのか?……本当なら怒りたい所だが。確かに気になるな。それであの2人は何を考えてたんだ?」
「モルケノフの方は読めなかったんだけど。マルティスが“ガルド様の素性を知る事が出来ればいいのだが。フレイと言う姓だけではなんとも言えぬ。”と、心の中で考えてたんだよね。ガルドこの意味分かるかな?」
「そう言われてもな。……これはあくまでも推測だが、もしかすると俺の親と何か関係してるのかもしれねぇ。」
「ガルド、それはどういう事なのかな?」
「ちゃんとした事は分からねぇんだが。俺の親父と母さんはディクス村の生まれじゃねぇ事は分かっている。それとこれは親父が死ぬ間際微かな声で、シャインスプラウトとあと何かを言おうとしていた。だが、その頃の記憶が曖昧でよく覚えていねぇんだ。」
そう言うとガルドは左手を頭に添え下を向き一点を見つめていた。
「前から気になってたんだけど。ガルド、過去に何があったの?何でか分からないけど、何かにじゃまされてて心の中の一部が読めないのよね。」
「ん?それはどういう事だ?てかビスカ、俺の心の中を勝手に覗くなって前に言ったよな!」
「うん、ガルドごめん。でもどうしても気になっちゃってね。ん〜だけど、ガルドのお父さん何でシャインスプラウトの名前を言って死んだのかな?それにその後なんて言ってたんだろうね。」
「確かにな。だが、今のビスカの話だと、やっぱりあの2人、何かを知っていて隠してるって事だよな。」
「多分そうだね。それでどうするの?このまま引き受けるつもりなのかな?」
「そうだな。何を考えているのか分からねぇしな。ん〜……ここはとりあえず引き受けて、あの2人が何を考えているか探りながら様子をみようと思う。」
「そうだね。本当は止めに来たけど、その方がいいかもね。じゃ、私も買い物の準備してくるね。」
そう言うとビスカは自分の部屋へと向かった。
ガルドはそれを確認すると荷物の整理を始めた。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
ブレインの腹違いの兄とは?
マルティスが考えていた事の真意とは?
そしてガルドの父親は何故シャインスプラウトと言って死んだのか。
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







