65話〜ジルフォードとセルバディス
ガルドは街の外の森に逃げ込み、ジルフォードを撒き森の外に出ようとしたその時、目の前に羽が付いた青い帽子に白い仮面を付けた男が立っていた。
ここはマルベールの街。ガルドはグドルフ達から、ジルフォードを遠ざける為にひたすら逃げていた。
ジルフォードは何故ガルドが逃げるのかと疑問に思いながらも、息を切らしひたすら追いかけていた。
ガルドは街の突き当たりに差し掛かると立ち止まり、一瞬どっちに曲がるか考えた。
(さて、どっちに曲がった方がいいんだ?)
ジルフォードはガルドが立ち止まっていたので、今なら追い付けると思いスパートをかけた。だが、ガルドは後ろをチラッと見ると、ジルフォードが直ぐ側まで来ていたので、
(……考えてる余裕はねぇみてぇだな。とりあえず右に行くか。)
右の方を向き、その場からすかさず駆け出し、ジルフォードから逃げた。
ジルフォードは、ガルドが右に曲がった事に気付き、その後を追い掛けた。
(はぁはぁ。流石はガルド様。強いだけではなく足も速い。ですが、ここまでして何故、私から逃げようとするのか?街道の一件があったとしても。まるで先程の池の辺りから、私を遠ざけようとしてるように思えるのですが。まぁ、あそこに何があるのかは分かりませんが、私には関係ない事です。今はガルド様の事が最優先ですので。)
ジルフォードはそう思いながら疲れ息を切らしていたが、更に加速しガルドを追った。
ガルドはジルフォードがついて来ているか、後ろをチラチラと確認しながら街の外にでた。
(ん?そろそろ、この辺でジルフォードを撒いて、ユリィナ達の所に行かねぇとな。何処かに丁度いい場所があればいいんだが。)
そして、辺りを見渡すと右手の方に森があるのが見え、
(あの森なら、ジルフォードを撒くのに、丁度いいかもしれねぇ。)
そう言うとガルドは、後ろを確認したあとジルフォードがついて来ている事を確認すると駆け出した。そして、ジルフォードはその後を追った。
そして、ガルドは森の中に入ると木の陰に隠れ、ジルフォードが森の中に入ってきた事を確認すると、気付かれないように遠ざかり迂回し森を出ようとした。だがその時、ガルドの行手を遮る者が現れた。
「これはこれは、こんな所でガルド様にお会い出来るとは思いもよりませんでした。」
ガルドは慌てて身構えその者をよく見ると、羽のついた青い帽子に、白い仮面を付けた男だった。
そう街道で、ジルフォードからギレンの亡骸とスーザンを奪い消えた仮面の男だった。
「お前は誰だ!?何で俺の名前を知っている?」
「これはこれは申し遅れました。私の名は、セルバディス=ディオと申します。ガルド様の御名前を知っている理由は簡単な事です。特徴はスーザンから色々と聞いておりましたゆえ……それに、シェイナルズのあの男から、お逃げのようでしたので、間違いなくガルド様だと確信いたしました。」
「なるほどな。じゃ、あの魔族のスーザンの知り合いって事は、お前も魔族ってわけか。」
「はい、そうでございます。ガルド様とここでお会いする事ができ嬉しい限りでございます。ああ、そうでした。今から貴方様を、我が城にお招きしなければなりませんでした。」
「ちょっと待て!?俺が何で魔族の城に行かねぇとならねぇんだ?」
「ガルド様、貴方は自分が今どのような立場に居られるか分かっておられないようですね。」
「それはどういう事だ?話がまるで見えねぇ。」
そう話をしていると背後から殺気を感じ後ろを振り向くと、そこにはジルフォードがいて剣を抜き構えこちらを睨み付けていた。
そして、その気配に気付きセルバディスは、すかさず身構えジルフォードを睨んでいた。
「これはこれは、先程街道の所であった間抜けなシェイナルズの者か!」
セルバディスがそう言うと、ジルフォードは睨み付けながら歩み寄ってきた。
「おい、キサマァ!?さっきはよくも、この俺を馬鹿にしてくれたな!」
そう言うと、ジルフォードはガルドの直ぐ側まで来て更に鋭い眼光でセルバディスを睨み付けた。
セルバディスは鼻で笑い、まるで道端の捨て猫でも見るような視線でジルフォードを見下した。
「フッ!私は貴方を馬鹿にしたつもりはありませんでしたが。そう思われたのならそうなのでしょう。まぁ、貴方もガルド様が目当てなのでしょうが。簡単に渡すつもりはありませんので。」
そして、それを見ていたガルドはこの状況をどうしたらいいかと考えていた。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
さて、ジルフォードとセルバディスはこの後どうなるのか?そして、ガルドはこの状況をどう切り抜けるのか?
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







