58話〜その想い
ガルド達は国境を越え、ピースバーグ国沿いのマルベールの街に来ていた。
ここはピースバーグの国境沿いにあるマルベールの街。あれから、ガルド達は洞窟を抜けピースバーグ国にあるマルベールの街に来ていた。
この街は国境沿いという事もあり人々で賑わっていた。
このマルベールの街から東南東に向かうと、港街リバーウッズがある。ここリバーウッズは、ピースバーグ国の初代王が国を築き王になる前に、数年間の時を過ごし、革命の始まりの地と言われている。
マルベールとリバーウッズとの距離は、それほど離れていない為、新鮮な魚介類が運ばれ、隣接した山などからは、新鮮な山の幸などが取れ、国境沿いという事もあり立ち寄る人も多く、この街は観光客などで賑わい、街路地などには市場や屋台などが並んでいる。
そして、国境沿いに位置している事と港にも近いという事で、貿易の拠点にもなっている。
昔はここには街など無く、あるのは数軒の民家のみで村ともいえる場所ではなかった。
だが、数年前にある行商人が立ち寄った際、この地は土地柄や交通の便などが良く、商売をするには最適な場所だと目を付け、民家の軒下を借り店を出した。
すると、この地を通り行き交う人々が購入したりで、名も無き土地から段々人が集まり村が出来、段々と店も増えて行き、街が出来るまでに発展していった。
その行商人の名はレイランス=マルベールといい、ここに街を築き復興させた功績を称え、この街の名をマルベールと名付けた。
そして、現在レイランスは、この街の町長をしている。
ガルド達は二手に分かれて市場を見て歩いていた。
ガルドはユリィナとマリアンヌと武器や装備品や装飾品などを見て歩いていた。
「なぁ、どうする?シャインスプラウトに向かう馬車が、まだ来てねぇみてぇだし、ある程度の買い物も済んだ。」
「そうね。市場もだいたい見たし、どうしようか?」
「ユリィナに、ガルド。ねぇ、あそこに池があるみたいよ。」
マリアンヌは立ち止まり、池がある方を指差した。
ガルドとユリィナも立ち止まり、マリアンヌが指差した右斜め前を見ると大きな木がありそこには池があった。
その池の近くにはベンチが置かれていた。
「あら、本当!ベンチもあるし、さっき買ったクッキーでも食べながらあそこで休まない?」
「ああ、別に構わねぇが、どうせ行くとこねぇしな。」
「そうですわね。私もそれに賛成ですわ。」
ガルド達は池の方に向かっていった。
一方、グドルフとビスカとジェシカとレフィカルは、市場を一通り見終わりカフェで時間を潰していた。
「グドルフ。ねぇ、ガルド達と一緒じゃなく、私達とで良かったのかな?」
グドルフは紅茶を一口含んだ後、ビスカを見つめながら、
「そうだな。だが、ビスカ達と一緒の方が楽しいと思った。だからこっちにした。まぁ、こっちにして正解だったがな。」
「ふ〜ん。そっか……でも、んー、グドルフごめん……。」
(マグド……何で私なのかな?他にユリィナもいるし、マリアンヌも、ジェシカだっているのに。でも、その気持ちには答えられそうにない。だって、私は……。)
ビスカはグドルフが何を思っているのか気になり覗いてしまった。
「ビスカ。ごめんって?いきなりどうしたんだ?」
「ん〜、あー、分からないなら、いいや。それより早く食べてそろそろガルド達のところ行こう〜。」
ジェシカはプリンを食べながら、
「そうですね。そろそろ馬車が到着する頃ですし。」
「確かに、急がないと、遅くなるな。」
レフィカルは急ぎオレンジジュースを飲み干した。
そしてビスカ達4人はカフェを後にし、馬車乗り場に向かったのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
マグドの気持ちにビスカは気づいてしまった。
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







