46話〜意外な弱点…
ガルドは調理を終えユリィナとキッチンワゴンに料理を乗せ…
ここはルポアール亭の厨房…。
その頃ガルドは、厨房の片付けが終わると朝食を作っていた。
(…ふぅ…こんなもんか……後は……。)
ガルドは厨房を行ったり来たり使えそうな材料を探しある材料でメニューを考え作っていた。
するとユリィナがホールの片付けを済まし厨房に入りガルドの側に来ると調理台の上に並べられた料理をみた。
「…ねぇ…ガルド……これって…全部ガルドが作ったのよね……。」
ユリィナはガルドの作った料理を見て目を輝かせていた。
「ん?…そうだが……どうしたんだ…何か変か?」
「…あっ…ううん……そういう事じゃなくて……凄く美味しそうだなぁ…って……それにガルド…本当に料理が出来たんだね…。」
「……本当に料理が出来た…って……疑ってたのか?」
「あっ…あー……疑ってたって訳じゃなくて……ガルドってどちらかって言えば……料理を作るイメージより……戦っているイメージが強いからかな…。」
「…なるほどな……。」
ガルドは最後の料理を盛り付け終わるとキッチンワゴンに各料理を乗せ始めた。
「ガルド…私も手伝うね……。」
「ああ…頼む……。」
ユリィナも調理台の上の料理をキッチンワゴンに乗せ始めた。
キッチンワゴンに料理を全て乗せ終わるとガルドはある物がないのに気づき探し始めた。
「ガルド…どうしたの?」
「…ユリィナ…すまねぇが……テーブルクロスか何か代わりになる物が…その辺にねぇか探してくれねぇか……。」
「うん…分かった…探してみるね…。」
ガルドとユリィナは厨房の隅々までくまなく探していた。
「ふぅ…この辺にはねぇのかもな……。」
「んー…こっちにも見当たらないけど……。」
「…別の部屋にあるかもしれねぇな……。」
「……多分そうだね……でも、無くても大丈夫じゃないかな…。」
「そうだな…それに、料理が冷めちまうと不味い……。」
ガルドはキッチンワゴンの方に向かった。
ユリィナはガルドの後を追いかけるようについていった。
するとユリィナの後ろから…チュウと泣き声がし振り向くとそこにはネズミがいた。
ユリィナはネズミを見ると、
「キャー…ネズミ〜……。」
ユリィナは叫びガルドにしがみついた。
ネズミはそのままガルドの方に向かってきた。
「………⁉︎」
ガルドはネズミがこっちに向かって来るのを見ていた。
するとネズミはガルドの真下に来た。
ガルドは無言のままユリィナにしがみついた。
ユリィナはガルドが何故しがみついて来たのか分からず困惑した。
ネズミはガルドの足を伝い頭の上に乗った。
するとガルドは震えながらユリィナを抱きしめていた。
「…ねぇ…もしかしてネズミが怖いのかな?」
するとネズミはガルドを伝い調理台の上に飛び移った。
ガルドはネズミが居なくなると、慌ててユリィナから離れた。
「……ユリィナ…あー…えっと…抱きついちまってすまねぇ……それと…な……。」
「んー…それは構わないけど……。」
ガルドは何故ネズミが怖いのかをユリィナに話した。
「ふ〜ん…なるほどね……小さい頃にビックラットに…噛まれて大怪我して以来…ネズミ類が極端に怖くなったって事か…。」
「ああ…恥ずかしながらな……それとこの事は誰にも言わねぇで欲しいんだが…。」
「クスクス……うん…じゃ私とガルドだけの秘密…。」
ユリィナはガルドの額にキスをした。
するとガルドの顔が赤くなり、
「ユ、ユリィナ…あー…えっと…これって……。」
「さあ…何でしょうね……。」
ユリィナは誤魔化しキッチンワゴンの方に向かった。
ガルドは顔を赤らめたまま、少しの間そこに座り込んでいた。
「ねぇ…ガルド……早く並べて呼びに行かないと料理冷めちゃうよ…。」
ガルドはユリィナに言われ慌てて追いかけたのだった……。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
ガルドとユリィナの距離は縮まった…けど…これは恋愛小説じゃないのであまり期待はしないで下さいσ(^_^;)
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







