病弱妹系なんだな
初めてと始めてが区別出来ない人が書いている
読み物ですがどうかよろしく
今後の事に向けて、魔法的な適性を試させて貰いたい
両親はかなり渋ったが結局私に任せてくれた
内心まだこのホワイトエルフを恐れてはいたが
森のお偉いさんが今ここで無茶もすまい
何にしろ私は魔法に強い関心がある
私は彼女の提案を受け入れる事にした
両親と村長の見守る中、椅子に座った私の後ろにまわり
失礼するよと、私の頭の上に手をおいた
さあ、目を閉じて
呼吸は深くゆっくり
こころはやすらかに
いつしか陶酔感めいたものがおとずれていた
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母の淹れてくれる薬草茶はとても美味しい
私達の体調に合わせて果物の皮、香草、時には岩塩を一つまみ
それを家族で飲む時が私にとって一番の団らんだし、もっとも両親の庇護を感じる瞬間であった
父が母の漬け込んだ果実の酒甕から銅のゴブレットに柄杓で一杯、それに薬草茶をじゃばじゃばといれ始めた
母はニコニコと次の茶を淹れ始める
酒宴がはじまった
「お母さん大好き」
「いやいや」
「はやはや」
「お父さん大好き」
「家の子供など」
「何の役にも」
いけすかない歓談
小さなリビングが哄笑でうめつくされる
母は両手で私の耳を塞いだ
母ごと両耳が腐れ落ちた
頭髪が皮膚ごと崩れた
舌に砂利のようなものが絡み付いて私ごと溶けおちた
ふざけるなよ
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我に帰ると背中に軽い感触があった
署名者さんが私の背にもたれかかるように
膝立ちに気絶していた
駆け寄る父を手で制して、自力で立ち上がった
「いいや大丈夫だ、醜態を見せてしまったな。それよりも娘さんと二人で話させて貰いたい」
まだ足元がおぼつかないようだ
父の方へ視線をやると、うなずいてくれた
私の部屋までは母と彼女に付き添った
母は私とこの娘を二人きりにするのを酷く嫌がった
判ってるよお母さんでも大丈夫
この子はもう私に何も出来ない
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私は戸惑う署名者さんを寝台に寝かしつけた
とても薄い色の金髪が流れる
「まずは謝罪をさせてくれ。きっと良くない物を見せてしまったから」
ムカついた気持ちだけはのこるが、私はうなずいた
今の力なく横たわる姿を見ると変な気分になる
「少し、魔法を使わせて貰いたい」
蒼白な彼女は私に願い出た
お好きに、と言うと私の部屋を魔力が覆い始めた
「ここまで相性が悪いとは思わなかったのだ」
シュンと目をつむる彼女は儚く幸薄げであった
病室で枯葉の数でも数えているのがお似合いに思う
「図らずも、私は君に敗北した」
抱き締めた方が良いのかと自分を疑った
「私が魔王だったのだ、託宣は成った君は魔王討伐者だ」
ここまで読んでくれてありがとう