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「TS」エルフの人生は長すぎる  作者: おおかみみみ
やくそう留学した事になった編
8/12

病弱妹系なんだな

初めてと始めてが区別出来ない人が書いている

読み物ですがどうかよろしく


今後の事に向けて、魔法的な適性を試させて貰いたい

両親はかなり渋ったが結局私に任せてくれた


内心まだこのホワイトエルフを恐れてはいたが

森のお偉いさんが今ここで無茶もすまい

何にしろ私は魔法に強い関心がある

私は彼女の提案を受け入れる事にした


両親と村長の見守る中、椅子に座った私の後ろにまわり

失礼するよと、私の頭の上に手をおいた


さあ、目を閉じて

呼吸は深くゆっくり

こころはやすらかに


いつしか陶酔感めいたものがおとずれていた


·

·

·


母の淹れてくれる薬草茶はとても美味しい

私達の体調に合わせて果物の皮、香草、時には岩塩を一つまみ


それを家族で飲む時が私にとって一番の団らんだし、もっとも両親の庇護を感じる瞬間であった


父が母の漬け込んだ果実の酒甕(さけがめ)から銅のゴブレットに柄杓(ひしゃく)で一杯、それに薬草茶をじゃばじゃばといれ始めた

母はニコニコと次の茶を淹れ始める


酒宴がはじまった


「お母さん大好き」

「いやいや」

「はやはや」

「お父さん大好き」

「家の子供など」

「何の役にも」


いけすかない歓談

小さなリビングが哄笑(こうしょう)でうめつくされる

母は両手で私の耳を(ふさ)いだ


母ごと両耳が腐れ落ちた

頭髪が皮膚ごと崩れた

舌に砂利のようなものが絡み付いて私ごと溶けおちた


ふざけるなよ


·

·

·


我に帰ると背中に軽い感触があった

署名者さんが私の背にもたれかかるように

膝立ちに気絶していた


駆け寄る父を手で制して、自力で立ち上がった


「いいや大丈夫だ、醜態を見せてしまったな。それよりも娘さんと二人で話させて貰いたい」


まだ足元がおぼつかないようだ

父の方へ視線をやると、うなずいてくれた

私の部屋までは母と彼女に付き添った


母は私とこの娘を二人きりにするのを酷く嫌がった

判ってるよお母さんでも大丈夫

この子はもう私に何も出来ない


·

·

·


私は戸惑う署名者さんを寝台に寝かしつけた

とても薄い色の金髪が流れる


「まずは謝罪をさせてくれ。きっと良くない物を見せてしまったから」


ムカついた気持ちだけはのこるが、私はうなずいた

今の力なく横たわる姿を見ると変な気分になる


「少し、魔法を使わせて貰いたい」


蒼白な彼女は私に願い出た

お好きに、と言うと私の部屋を魔力が覆い始めた


「ここまで相性が悪いとは思わなかったのだ」


シュンと目をつむる彼女は儚く幸薄げであった

病室で枯葉の数でも数えているのがお似合いに思う


(はか)らずも、私は君に敗北した」


抱き締めた方が良いのかと自分を疑った


「私が魔王だったのだ、託宣は成った君は魔王討伐者だ」





ここまで読んでくれてありがとう

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