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精霊力の高まりを感じた

よろしくお願いします


ハンスさんは魔法の訓練の時

一度はお茶を淹れてくれる


この人は物知りだ、ついあれこれ質問してしまう


「みんなは何でホワイトエルフを恐れているんですかね?」

「別に悪い者共ではないが、近寄るべきではないな」


なんだ実在はしているのか

てっきり霊的なアレかと思った、祟る系のやつ


初めて森に入る前に教わったのだが

仮に見てしまったしても

見なかった事にしろだの、絶対に声をあげるなだの

完全に怪談話である


「もし見つけてしまったら······」

「話しかけない、約束をしない、特についていかない事だな。お前らエルフだと、おウチに帰れななくなるかもな」


森に入るのやめよ、私は即断した


「悪い恐がらせたな、あとで豚妖精のおまじないをしてやるから許せよ」


悪びれる風もなくブフォフォッと吹き出した

その笑いはおまじないよりも魔よけの効果がありそうだとな思った


·

·

·


精霊際は「決まりの日」に行われる

決まりの日はエルフの元日にあたるのかもしれない

村長が星々を観測して、次の祭の日取りを決める


ちなみに月は普段は昇らない

何年か何十年か周期で来る物みたいだ

私はまだ見たことがない


祭は午後から行われる

小さな拝殿で感謝の言葉とお酒、お飾り等が捧げられる

ここまでが集落の住人全員参加である

後はお決まりの音楽と踊りと宴会だ


例年、私は少し食べ物を摘まんで早々帰るのだが

今年はティティアが私の踊り絶対見に来てと誘ってくれたので

母に付き添われて彼女の出番を待っていた


いくつかの演目が終わりティティアの出番の頃になると

日は暮れ始め、かがり火がたかれた


ティティアは槍をアーヴェは剣を持ってあらわれた

二人が観衆に向かって一礼した後、広場の中央で槍の穂先と剣を

交わらせた

剣舞をするのだろう


ゆったりとしたリズムに合わせて

時折、しゃらーんしゃらーんと金属の擦れる音がこだまする

私は気が気でなかった、母の上衣の袖をぎゅっと握りしめた

だって色々短いんだよ!、そんなに動いたらだめっしょ!


格好良いポーズと剣戟が合わさるのが幾度も繰り返されていくと

次第に音楽も交差する剣舞も速まっていった


薄暗がりに鉄の火花が散っていき

鉄が鉄を打つ音が激しく鳴っていった

もう私の目では何が行われているか良くわからない


唐突にどどんと太鼓の音が響いたと思ったら

アーヴェが後ろ向きにぐるぐると転がって行くのが見えた


歓声が上がり、ティティアはそれに応え一礼した


いやー、最後の演出凄かったです

高速連続後ろ回りとか、すごい身体能力でした


アーヴェさん、ティティアに謝罪する機会を与えていただき

ありがとうございます!




ここまでで読んでくれてありがとう


1章おしまいです

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