そんなイベントあったね
よろしくお願いします
「嫌だけど」
時間が惜しいのだ、魔法が待っているのである
「なんだと、お前はどれだけ···。こんな往来で事を荒立てるつもりはないんだ、おとなしくついて来い」
こんな上からものを言う子だったけ?
朝っぱらから、何があるとも思えないが
興奮している男にのこのこついて行く訳が無い
「急いでるの、すぐに済む話ならここで聞くよ」
「そうか、これでも気を使っているつもりだったんだがな。ならばはっきり言わせて貰う、これ以上ティティアに迷惑をかけるのはやめろ!」
なんか、まくし立ててきた
そういえば、他人に怒鳴られたのは生まれて初めてだ
そろそろ近くの家に逃げ込む算段を立てるべきか
ティティアは知ってる
少し離れているけどお隣さんだ
わりと気安い、たまに焼き菓子届けてくれるし
「ティティアに謝れ!。お前何年精霊祭の手伝いサボってんだよ」
「人違いだって!······えっ」
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人違いじゃなかった
お隣同士のティティアと私は手伝いの「組み」だったようだ
それもずっと
「なんと言っていいか、ティティアには必ず謝るから。アーヴェもわざわざありがとう、わたしひどい態度だったよね本当にごめん」
「わ、わかればいいんだよ。じゃあなっ!」
アーヴェは足早に去っていった
なんだよ、謝り足りない気分になるじゃないか
とりあえず、ハンスさんにお弁当を持っていこう
延期にしてもらわねば
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「ティティアいますかー!」
母に手土産のアップルパイを持たされた私は彼女の家まで来ていた
話したい事があると伝えると自室まであげてくれた
アーヴェから聞いた内容をほとんど、そのまま伝えて頭を下げた
「いいって、いいって本当に大した事じゃ無いんだよ。ほらこれ」
母が使ってるずんどう鍋くらいの籠の中に
紙で出来た造花みたいのが一杯に入ってた
「こんな量じゃ二人でやるほどじゃないとおもったんだよ、こういうの結構好きだし」
たとえそうだとしても、どうも収まりが悪い···
「それじゃ、来年は一緒にやる?」
「いいの?」
「もちろんだよ」
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「打ち身に効く軟膏を分けてくれ」
えらく顔を腫らしたアーヴェがやって来た
「昨日は精霊祭の鍛練に熱が入ってしまってね」
自分の顔面を痛め付けて何を鍛えるというのか
母が貝殻に入った軟膏を奥から持ってきた
「アルシェ、痛そうだから薬塗ってあげれば?」
痛々し過ぎて触れんのだが
そも、そこまでの義理はないと思われる
母上、薬を渡さないで下さい
「おかっ、おば---あれっ」
口の中まで痛いようである、父を呼んだ方が良いかもしれん
「今宵はここまでだ!」
決め台詞見たいのが飛び出してきた
私から薬を奪い取るようにひったくると
元気良く帰っていった
まだ日も昇りきってませんぜ
ここまで読んでくれてありがとう