始めよう
とりあえず、ジャグリングが好きなので、その楽しさをみんなに知ってもらえたらなと思って書きました。まだ、序盤で全く触れていませんが、直に書きます。
目的としては興味を持ってもらう事ですので、つまらなくてもまあいいです。これを読んで誰かの動画とか見てくれればな……的な。
自分の中ではやったことがないジャンルですので、どのようにして上手く伝えられるかが分かりませんが、とにかく、頑張ってみます。
1
あたしは岡野美希という。今年の春に晴れて高校生となる。あたしは新しい制服を着て、新しい学校へ向かう。一新だ。あたしの周りが新しくなった。自転車も新しく買ってもらった。これから三年間、ほぼ毎日お世話になる。前の自転車は気に入っていたし捨てるのにはもったいないから、通学以外のお出かけの時に使うと決めた。
あたしは少しだけ嬉しかった。それもそうだ。なんだか、成長した感じがして。そうではないのだが、大人になったような。そんな気がして。あたしはテンションをあげる。頬をほころばして、桜の道を走る。風を受けて髪が踊る。スカートもひらひらと踊っている。桜の花びらが舞い散る。あたしを祝福しているようだった。
あたしは「これからよろしく」と恥ずかしくなることを小声で言った。
学校につくと、知り合いと顔を合わせた。中学の頃の同級生だ。名前は川崎遥。遥とは大変仲が良く、一緒の高校を選んでやってきたのだ。あたしは声をかける。すると、見たことのないいい笑顔で手を振って挨拶をしてくる。
遥は小柄な子だ。童顔でそちら系の趣味の片に好かれる傾向がある。もうマスコットみたいに可愛いやつだ。遥は、今日もお気に入りの白色のシュシュで後ろ髪をとめていた。
遥はなんというか能天気で、何事も軽く考える。一緒にいるこっちがハラハラさせられる。でも、芯はあってそれのひた向きさは尊敬できる。
「自転車で来たんだ」
「まあね」
あたしは自転車を叩きながら言う。見せびらかしたい気持ちがあったからだ。それの思惑通り、食いついてきた。
「あ、新しくなってる。買ったんだ」
「そうそう」
あたしははにかむ。
「私も買ったんだ。でも、今日は親に送ってってもらったんだ。だから使うのは明日かな」
その横には遥の両親がいた。あたしは軽い挨拶をする。
「美希ちゃんの両親は?」
「後で来るって」
「そうなんだ。じゃあ、あとで挨拶するね」
「それはしなくていいよ」
そんな事はない。と遥は笑いながら言った。
「ところでさ、今日一緒に帰らない?」
遥からそういう誘いを受けた。
「歩きでいいの? 車に乗せて貰えばいいじゃん」
「私は別に構わないよ」
「そうか。なら、あたしもそれで構わないよ」
「じゃあ、街に行こうよ。その方があたしはいいし。あ! カラオケしよう! お祝いに、ね」
「賛成」あたしは頷いた。
「あ、そうだ。美希ちゃん、記念写真とろうよ」
遥はあたしの手を引っ張る。あたしはそれについていく。正門前にでかでかと「入学式」とかかれた看板があった。あたしたちはその前に並んで立ち、遥の両親に写真を撮ってもらう事になった。
あたしは写真というのがどうも苦手だ。写りが悪い。だいたい、変な顔になってしまう。だから、あまりやりたくないのだが、せっかくの記念日だし、遥の笑顔をつぶしたくないしで、しぶしぶ写真を撮られる。
ついでにあたしのスマホでも撮影をお願いした。ついでだ。
「可愛く写ってるね」
と、遥は楽しそうに言った。あたしは「そうだね」と適当に言った。やはり、写りが悪かった。仏頂面で可愛いとかそういう風には見えなかった。笑ったつもりではあったが、どうもそうは見えなかった。
遥の両親とは正門で別れた。あたしたちに気を使ってだろう。あたしたちは駐輪場へ向かう。自転車を置きに行くのだ。そこには沢山の自転車が置かれていた。新しい自転車が沢山あった。きっと誰もあたしと同じなのだろう。そう思った。
「楽しみだね。どんな高校生活が待っているんだろうね」
「知らないよ。まあでも、楽しみは少し広がったかもね」
「美希ちゃんとまた同じクラスになれるといいなぁ。苗字が近いから、美希ちゃんの後ろだといいな」
「ノートは貸さないからな」
「あ、酷い! 貸してよ」
「授業を真面目に聞きな」
あたしは遥を肘でつついた。遥は「もう」と言って頬をふくらました。
昇降口へ向かう。そこにはクラス分けがされた紙がどうどうと張り出されている。あたしの名前は……と探す。三組だった。そして、あたしの名前の真下に遥の名前があった。
「同じ組だね。よかった」
遥は心底ほっとしたように胸をなでおろした。
とりあえず、あたしたちは教室に向かった。見慣れない校舎。景色。あたしは不安と期待で胸が一杯だった。
あたしは、人の前に出られる人は凄いと思う。あたしは考えられない。
まあ、これは特に意味もない話だ。新入生代表が前に出て、何やらこれからの意気込みやらを喋っているときにそう思っただけだ。
校長とか会長とか、よくもまあ、普通に喋れるなと思う。あたしは緊張しすぎて考えただけでめまいがしてしまう。さすがに、言い過ぎだが。
新入生のこういうのは首席がやるものだ。要するに、現段階で一番勉強が出来たやつがやるのだ。あたしと違って、だから堂々と前に立てるのだろうな。校長とか歳がいった人は年期が違うから、当然といえば当然だ。踏んだ場数が違う。
今年の新入生の首席は有川香奈江という女子だ。堂々としていた。同じ年だとは思えない威厳があった。顔は整っており、可愛らしいというよりかは美しいといった方が正しいのだろう。美人さんだった。モデルをやっている、と言われたら信じてしまいそうだ。スレンダーな体系で羨ましい限りだ。
勉強もでき、スタイルも容姿もいい、それからさらに運動までできたら、泣きたくなる。神は二物を与えないというが、間違いなんだなと思った。
まあ、そんな事はどうでもいい。
隣にいる遥は眠ってしまっている。寝息をたてている。あたしに寄りかかってきそうなそんな感じだ。あたしは小突いて遥を起こした。遥はあくびをして、目を覚ます。目を擦り、小さな声で「眠ってた」という。
「あとどれぐらい?」
「もうすぐ。だから、起きてなさいって」
「はーい。美希は真面目だね」
遥はだらしなくまた欠伸をした。やれやれ、とあたしは肩をすくめた。
「真面目ね……」
あたしは苦笑した。どこがだ、と思って。真面目っていうのは、優等生様に使ってあげる言葉だろ。まあ、どうでもいいかそんな事は。
それにしても、退屈だよな。
「お街へレッツゴー!」
遥が拳を高々と挙げた。あたしは「元気だね」とため息を一つついた。
あたしは自転車を押して歩いた。鞄はカゴにいれた。もちろん、遥の分のも。
遥はスキップしていた。あたしを中心にしてぐるぐる回っていた。
「やめろって」
あたしは遥を小突いた。遥は「ごめんね~」とはにかみながら言った。あたしは嘆息してから、「ところで」と話を引き出す。「カラオケ行く前にさ、買い物でもしない? ちょっと見たいものとかあるし」
「あ、いいよ。私も服とかもみたいかも。それと、プリクラでもとらない? せっかくだし」
「賛成」
あたしは頷いた。遥はにっこりと笑う。
あたし達は新しい道を談笑しながら歩いていく。遥は後ろ向きで歩いて、あたしと話すものだから、なにかと危なっかしい感じだった。電柱にぶつかったり、前方から来る車の存在に気づかなかったりと。あたしは驚く遥の反応が面白くてたまらなかった。
「ねえねえ。美希ちゃん。部活は何にしたいか決めてる?」
遥はこの話を切り出してきた。「定番だな」とあたしは苦笑した。「あたしはまだ決めてない。これと言ってやりたいことがないからね」あたしは頭を掻いた。「遥は?」
「私も全然。やりたいのがないのー。帰宅部じゃなくて何かやりたいし」遥は小石を蹴った。その小石はカラカラと音を立てて、地面に転がっていく。そして、溝に落ちた。
「またバトミントンでもやれば?」あたしは投げやりに言う。
遥は中学の時バトミントン部に所属していた。あたしもついでに入部した。遥に誘われて。
「同じ部活動には入らないって決めているの。だからそれ以外―」
遥は地団太を踏む。
あたしは頬をかいた。そして、やりたいことを考えた。しかし、何も浮かばなかった。
あたしはやりたいことなど何もない。特にこれと言った特技もないし。バトミントンだって遥に誘われたから入っただけで、さほど興味を持っていなかった。
「面白そうな部活はないんだもの。どうしたらいいかな?」
「茶道部でも入ったら?」
「私、正座とかムリ。十秒で足がしびれちゃう」
「あはは。そうだね。第一、似合わないね。格好が」
「そうかな? うーん、分からないよ」遥は口をとがらせながら首を横に振った。「それなら、いっその事作っちゃおうかな?」
「もしかして、部活を?」
「うん」力強く頷いた。
「面白そうではあるけど、何を作るのさ。というか、部活作れるの?」
「多分作れるでしょ。中学の時だって、誰かが作ってたし」
「そうだっけ?」
「うん。何部かは忘れたけど。あったはずだよ」
「へえ。まあ、どうでもいいや。仮に作れたとしても、部員とか探さないとね」
「それも含めて楽しそうだね」
遥の目が輝いていた。これだ。遥は興味を激しく持つと、こうなるのだ。遥は自分がこうだと決めたものに情熱を注ぐ。真っ直ぐにそれへ向かうのだ。大体は有言実行タイプ。ヤル気を持った遥は不可能なことを可能にしてしまう。遥はそんな感じで末恐ろしい子なのだ。これを勉強に活かせればね……。ま、そこはどうでもいいか。
正直、あたしは遥のそのひたむきさが羨ましい。あたしにはない事だ。
あたしは、何の目標もなくずっと、生きてきた。ただ何となく日々を重ねてきただけだった。だから、こうやって何かしらに熱中が出来る、小さくても夢を持てる遥が羨ましい。
「何部作るの?」あたしは遥に尋ねた。
「わからない」遥は腕を組んで、口をとんがらせる。そして、悩む。「うーん……なんか、ないかな……。メジャーじゃないものがいいな」
「マイナーなもの?」
「そう。こんなん無いだろう、という部活。囲碁サッカー部みたいな」
「懐かしいネタを持って来たな」
「まあ、それは難しいから、何か楽しいやつがいいな……。可愛くて、カッコいいやつ」
「ちょっと分からないけど」
「あ! どうせなら、美希ちゃんも一緒にやろうよ! それで、その部活の部員になってよ! お願いだよ~。私、美希ちゃんがいないとダメなんだよ~。一人じゃ何もできないから」
遥はあたしの自転車のかごを掴み、横に揺らした。あたしは「わかったわかった」といって、その手をどけさせた。
「部活か……」あたしは空を眺めた。「まあ、そういうのもアリかもしれないな」と笑った。
あたしには大きな夢も小さな夢も無い。でも、遥と一緒に何か新しいことをやることで、それを見つけられそうな気がする。遥なら、あたしにそういうのを教えてくれそうな気がする。
私は、それを遥かの傍にいて、見つけられたらいいな。この、高校の三年間で自分ときちんと向き合えたらいいよな。
なんか。そう思うと、少しだけ楽しくなってきた。
あたしは、遥の頭をわしゃわしゃと乱した。遥は「ぎゃー」と叫んで頭を抱えた。あたしは慌てふためくそんな遥を見て思わず吹いてしまった。
遥は、「私、鬼になっちゃいましたよ。プンプンっすよ!」とふくれっ面で、両方の人差し指を使って角を表現する。
あたしは笑いながら「ごめんごめん」と謝る。
あたし達は、そんな感じでじゃれ合いながら、肩を並べて歩いていくのだった。
遥ならあたしにそういう夢を教えてくれるような、導いてくれるようなそんな気がする。いつか、自分にも小さくてもいいから夢を持てたらいいな。
わたしがジャグリングと出会ったのは、大体8年ぐらい前ですね。練習はあまりしていないので、下手ではありますが、やっていて楽しいと感じます。
これの良さと言いますと、老若男女構わず誰でもやれるという点でしょうが、やっている人だけではなく、見ている人でも楽しめる。そんな娯楽の一種ですかね。どこでもできるのが利点だったりします(道具による)。それと上達も目に見えてすぐに分かるというのもいい所ですね。あとは、頭や手先をよく使うので、頭のいい体操になったりや、手先が器用になったり(それは知らない)します。最近では心理療法の一環で利用している場合もありますし、とにかく幅が広いものです。
アレは難しそうに見えますが仕組みさえ理解すれば一時間(早い人は半分)で出来るようになります。
定番どころで言うとボールですが、それの基礎となる技がカスケードといいまして、左右対称な8の字の軌道を描く技で、それがそのぐらいの時間で覚えられます。
皆さんがよく見るのはボールと、ディアボロ(中国コマ)あたりでしょうか。その二つが初心者に勧められるものです。
理由として、まずボールはトスジャグリングといいまして、上に複数個投げるやつといえば伝わると思います。例としてリングという輪っかの道具やクラブというボウリングのピンみたいなのがトス系ジャグリングとなります。それで、トスジャグリングの基礎となるのがボールです。これからやらんと、他の道具の難易度が格段に違います。私はこの道具がお気に入りです。
次にディアボロですが、二つのお椀の高台?を合わせたやつといえばいいですかね。あれはやり始めるのがどの道具よりも一番簡単です(私の中で)。やり方さえ学べばメッチャ早くて数分で回せるようになります。最初の技も簡単ですからすぐに「出来た」という満足感を得られます。
まあ、こんな感じ。詳しい話は追々書くとします。ネタが無くなるので。
とりあえず、やればすぐにできるやつです。少しでも競技人口が増えたらいいなと思います。
書き忘れてましたが、道具はネットで適当にジャグリングと打てば上あたりに「ナランハ」というショップが出てくるのでそこで見るといいです。(道具は基本通販です)。値段に驚くでしょうが、まあ、そこは……うん。
種類も豊富で何を買えばいいのか分からないかもしれないので、それは次辺りに出も。とりあえず、高い方が使いやすいというのはある。とだけ言っておきます。
まあ、そんな感じです。次の更新はいつかわかりませんが(月1?)、のんびり書いていきます。
では。また。