桜の丘
貴方を乗せた列車が出ていった
姿が見えなくなるまで振り続けた私の手は、貴方にはどんな風に見えたのだろうか
夕陽が私を照らす
無人のホームに添えられたオレンジ色の風景は、まるで写真のように美しい
「バイバイ」
彼に聞こえるはずもない呟きは、風が掻き消していった
帰路、丘へ登った
彼とよく登った丘へ
途中、不意に上を見上げると、満天の星空が見える
あの頃と違うところを挙げるとすれば、彼が居ない事くらいだ
それでも丘は出迎えてくれた
舞い散る桜と共に
夢を叶えるまで戻らないといった貴方
なら、私は貴方を待ちましょう
桜に抱かれながら
思い出と共に眠ります
この桜の丘で