小話01
「涼華の好きなタイプって?」
昼休み中の葛葉の言葉。
「突然何?」
むぐもぐとパンを頬張りながら教室でパンを食べてる涼華。
その会話が気になり目の前で薺と馬鹿騒ぎしていたクラスメイトの言葉なんか耳に入る分けなかった。
「将。気にしすぎ。丸分かり」
ボソッと言ってきた薺にウルセーと言うしかなかった。
「くじら」
はい?
「くっくじらって…」
薺は何のことか分かったらしく笑っていた。
「どーしたんだ?武藤に水草?」
クラスメイトの一人が俺と薺の様子を見て気になったように声を掛けてきた。
「いいや、なんでもねー」
ちらりと涼華達に目線を向けたら涼華がD○ライトを取り出して葛葉に何か話してた。
「ゲームじゃん」
「今はまってるらしいゲームのキャラが好きらしいよ」
ふーん。よかった様な寂しいような。
つーか、あの会話の流れで何でゲームの話になるんだろうか。
心底不思議だ。
でも、ゲームのキャラにしても少しムカついたのは事実。
俺って大人気ない。
「何のゲーム?」
薺達から離れ涼華達の元に行き涼華の上から覗き込むようにゲームの画面を見た。
「ん、ポ○モン」
な、懐かしい…。
俺もガキん時やってた記憶がある。
「新しい種類なんだ。今気に入ってるのがコレ」
ん、と目の前に出された画面を見た。
あ、本当にくじらだ。
そのくじらが勝ちほこったように笑っていたので少しムカついた。
「なんでそれが気に入ってんだ」
「丸いから」
丸い物が結構好きなんだーとぼそっと言ったのを聞き逃さなかった。
とり合えず…涼華は丸い物が好きという事が判明した昼休みだった。