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クロは素早く、さっき起こったことをつなぎ合わせた。


「さっき…俺はまだ奴に触れていなかったのに、爆発が起きた。つまり、奴のスキルは体から直接爆発を生み出すものじゃなく、固定された場所に爆弾を設置する能力だ。」




彼は眉をひそめ、考え続ける。


「もし爆弾を無制限に置けるなら、今頃この闘技場は爆弾だらけになっているはずだ。だが、さっき俺はかなり動き回ったのに、爆発に巻き込まれたのは二度だけ…つまり、奴が同時に維持できる爆弾の数は十個未満に違いない。」




クロは歯を食いしばり、鋭い目つきになる。


「奴が爆弾を置けるのなら、その位置を突き止めなければならない。奴の不自然な行動は、その手がかりかもしれない。それに、奴が通った場所は罠が仕掛けられている可能性がある。」




そう考え、クロは手をかざし、大声で叫びながら巨大な炎の術を発動し、闘技場の床へ叩きつけた。


真っ赤な炎の海が荒波のように地面を覆い尽くしていく。




それは致命的な一撃ではなかった。ただの範囲攻撃――クロは、爆弾が他のエネルギーに反応するかどうかを試すつもりだったのだ。




炎が闘技場全体をなめ尽くす。しかしハルトは微動だにせず、何事もなかったかのように立っている。地面からも爆発は一切起きなかった。




クロは唇を噛み、心の中で悪態をつく。


「くそっ…今分身があれば、代わりに罠に踏み込ませられるのに…」




まさにその瞬間、クロが策を練っていると、ハルトが突如として信じられない速度で飛びかかってきた。




ドンッ!


鋭い拳が腹に直撃し、クロは一瞬息が詰まる。だが予想通り、奴の体から爆弾は生まれない。――この一撃はただ間合いを詰めるためのものだった。




「なるほどな…」クロはつぶやき、必死に体勢を保つ。




しかし反撃する間もなく、ハルトのもう一方の手から木の棘が放たれ、クロを数歩後退させる。




その直後――




ドガァンッ!!!


クロの背後で爆弾が炸裂し、彼の体は前方へ吹き飛ばされた。




「くそっ…奴は衝撃を利用して、俺を罠の中に追い込んだのか!」

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