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クロは仮面の集団に強い興味を抱き始めた。
「一体こいつらは何者なんだ? なぜこんなにも多くの混乱を引き起こしているんだ…」と、心の中でつぶやく。
そこでクロは調べ始めた。手に入れた情報は、彼を思わず震えさせるほど衝撃的だった。
この謎の組織は、すでに 2年間 存在しており、大小さまざまな事件を引き起こしてきたというのだ。だが、その目的は依然として不明瞭。銀行を襲撃しても金を奪わないこともあれば、警察官を数十人殺害したり、ノウヨー市の市長を打倒するよう市民に呼びかけたりすることもあった。
行動は一貫性がなく、理解不能。現在判明しているのは、メンバーがおよそ8人存在するということだけだ。その中で隊長とされるのは、右目に穴の開いた仮面をかぶった男。ノウヨー大虐殺を引き起こした張本人であり、彼が姿を現したのはその時一度きりだった。
クロはさらに調査を進め、大虐殺の詳細を知った。そして、息を呑んだ。
それはただの襲撃ではなく、まさに 熾烈な戦争 だったのだ。仮面の集団と、ノウヨー市の全警備部隊との全面衝突。警察、守護の魔法使い、騎士、さらにはハンター組織の戦士たちまでが参戦していた。
結果は凄惨だった。隊長5人が戦死、魔法使い47人が倒れ、騎士17人、そして多くのハンターが命を落とした。
しかし、仮面の集団の犠牲者はたった一人――“笑い仮面”をつけた男だけだった。
その正体も明らかになった。カマス地区のスラム街出身の20歳の青年で、恐るべき能力 「衝撃波ショックウェーブ」 を持つ者だった。




