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新品のスマートフォンを手にしたとき、クロはまだ不思議な気持ちでいっぱいだった。これが「テクノロジー」というものに初めて触れる瞬間だったのだ。彼はそれを手の中で回し、光沢のある外装を眺め、いくつかのボタンを押してみた。画面がぱっと光り輝き、クロの目は大きく見開かれた。まるで宝物を発見した幼子のように。




「なんて不思議なんだ……」と、彼は心の中で呟いた。




初めてネットに接続した瞬間、目の前に無数の情報が溢れ出し、クロの頭はくらくらした。自分が参加している大会について読み進めるうちに、彼は初めて知ることになった――上位25位以内に入れば、この地域の名門高校から直接招待が届き、試験なしで入学できるということを。それは数え切れないほどの若者たちが夢見る、極めて貴重な機会だった。クロはスマートフォンをぎゅっと握りしめ、胸の鼓動が強く打ち鳴らされるのを感じた。今や戦いは、ただ力を証明するためだけではなく、未来を切り開くためのものとなったのだ。




だが、スマートフォンに映し出されるのは大会情報だけではなかった。娯楽アプリ、ニュース記事、外の世界を映す動画……その中でクロは初めて「獣人」を目にした。最初は目の錯覚かと思ったが、調べれば調べるほど事実が明らかになっていく。ソララには五十の都市が存在し、その中で最も大きく繁栄の中心にあるのがハデシュという都市だった。だが、そこにはひそかな汚点があった。――それは人種差別である。




獣人、巨人、小人族、人魚……人間ではない種族はことごとく下等な存在とされ、軽蔑され、排除されていた。クロが今まで彼らを見かけたことがなかったのは、彼らが存在しないからではなく、人間の目から遠ざけられてきたからだったのだ。




クロはスマートフォンを机に置き、しばらく黙って座り込んだ。胸の奥に湧き上がるのは、抑えきれない好奇心と、微かな苛立ち、そしてもっと知りたいという渇望だった。この世界は、自分が思っていたよりもずっと広く、複雑なのだ。




だが、スマートフォンだけでは物足りない。クロはもっと深く知りたい、真実に触れたいと願った。だから翌朝、彼は広場近くの本屋へと足を運んだ。静かな空間に漂う古い紙の匂いの中で、彼は慎重に本を選んでいく。




やがて彼の腕の中に、一冊また一冊と積み重なっていった。




『ソララの歴史――天地開闢から現代まで』 … この大陸の発展の全てを記した本。




『世界における元素と力』 … 基本から希少まで、あらゆる種族が扱う元素体系についての書。




『体術鍛錬法』 … 肉体を極限まで鍛え上げるための理論と訓練法をまとめた本。




クロはそれらを胸にしっかりと抱きしめた。瞳には小さな喜びの光が宿っている。きっと、この本たちと新しいスマートフォンがあれば、彼は少しずつソララを理解できるだろう――自分が生きるこの世界を。そして、いつかは征服するべき世界を。

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