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両者の拳が激しくぶつかり合い、轟音とともに爆発的な衝撃波が会場全体を揺らした。観客席からは歓声と悲鳴が入り混じる。二人は同時に吹き飛ばされ、砂煙の中からゆっくりと立ち上がった。




その時、クロの表情が一変する。彼の目は鋭く細められ、口からは白い吐息が漏れ出た。右手を前に差し出すと、瞬時に燃え盛る炎の剣が形を取り、左手を開けば雷光を帯びた剣が放電を繰り返しながら現れる。




「フッ…面白い。久しぶりだな、二つの属性を同時に操れるやつは。」


カゴは愉快そうに笑い、胸元から冷気が溢れ出す。その氷は瞬く間に鎧となり、龍のような兜を形作った。全身を覆う氷の甲冑が完成すると同時に、彼の右手には長大な氷槍が顕現する。




「さて、どこまでやれる?」


クロは鼻で笑い、次の瞬間、雷光を纏った体で一気に間合いを詰めた。稲妻の剣が閃き、カゴの氷槍と激突する。火花が散り、爆音が響き渡る。しかしクロのもう一方の手から振り下ろされた炎の剣は、防御の隙を突いてカゴの胸を切り裂いた。




「ぐっ――!」


カゴの体は壁まで吹き飛ばされ、氷片が四散する。観客席からは大歓声が響き渡った。




まだ立ち上がろうとするカゴに、クロは容赦なく飛び込む。雷の剣と炎の剣、二つの斬撃が嵐のように降り注ぐ。斬撃の速さにカゴは完全に押し込まれ、防戦一方となり、ただ必死に氷槍で受け止めるしかなかった。




「どうした?さっきの余裕はどこへ行った?」


クロの嘲笑とともに、剣戟と爆音が闘技場に鳴り響く。炎と雷、そして氷の破片が交錯する戦いは、観客にとって息を呑むような光景となっていた。

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