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観客席は満員で、歓声が闘技場全体を揺るがすほど轟いていた。


無数の松明と魔力結晶の光が場内を照らし出し、息を呑むような熱気が渦巻いている。




高台に立つ MC が魔導マイクを掲げ、声を張り上げる。




「皆様! いよいよ第二回戦の幕開けです!!」




観客たちの歓声が爆発する。人々は立ち上がり、応援する選手の名を叫んでいる。




MC が続けた。


「最初に登場するのは――燃え盛る炎の力で第一戦を勝ち抜いた男! アイスデン・クロウ!!」




控室の扉が開く。


クロウが姿を現すと、炎がその拳の周りで揺らめき、観客の熱狂は最高潮に達した。


「クロウ! クロウ! 燃やせぇーー!!」


「炎の戦士! 本当の力を見せてやれ!」




そして MC は反対側を指し示す。


「対するは――氷の力で闘技場を震え上がらせた冷酷な戦士! ハタカ・カゴ!!」




太鼓の音が鳴り響く中、もう一方の扉が開く。


ハタカ・カゴがゆっくりと歩み出ると、彼の身体から冷気が広がり、闘技場全体が冬に包まれたかのように凍りつく。


一歩進むごとに、地面には薄い氷の道が残される。


観客はまた歓声を上げた。


「カゴ! すべてを凍らせろ!!」


「炎など氷に勝てるものか!!」




二人の戦士が闘技場の中央に立ち、向かい合う。


片や 燃え盛る炎、片や 凍てつく氷。


空気は張り詰め、観客さえも息を呑んで見守る。




MC が片手を振り下ろし、叫んだ。


「試合開始ッ!!!」




その瞬間、地面が震える。


カゴが腕を振ると、氷が足元から広がり、闘技場の半分を瞬時に覆い尽くした。


吐き出される冷気に、最前列の観客は思わず身をすくめる。




クロウは口元を歪め、拳を握りしめる。


その拳から炎が爆ぜ、地面に叩きつけると、灼熱の炎が波のように走り、氷を焼き払った。




ドォン!!


炎と氷が最初の衝突を果たし、轟音とともに蒸気が立ちこめる。




観客は総立ちになり、二人の名を叫び続ける。


試合は、ついに幕を開けたのだ――。

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