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061

翌朝、クロウはまだぐっすり眠っていた。


突然、ドンッ!と重い衝撃が腹に落ち、彼は飛び起きた。




ジャメがベッドの上に座り込み、にやりと笑った。


「起きろガキ!訓練の時間だ!」




クロウはうめき声をあげ、枕に顔をうずめた。


「まだ体中が痛いんだぞ…しかも、朝の五時だろ…」




「弱者の言い訳なんざ誰も聞かねぇ!」


ジャメはクロウの腕をつかみ、強引にベッドから引きずり出した。


「強くなりたいなら、痛みに耐えろ!」




次の瞬間、男の手から光が放たれ、クロウの体を包み込んだ。


昨日の激痛が一瞬で消えていく。




「えっ…治った…?」




「そうだ。」ジャメは不敵に笑った。


「治してやったのは、今日また限界まで搾り取るためだ!」




バチン、と音を立てて魔力封じの手枷がクロウの手首にはめられる。


「魔法は禁止だ。さあ、今日は20キロ走だ!」




「20キロ?!正気か?!」




「嫌なら30にするぞ。」




クロウは歯を食いしばり、走り出した。


最初は不満そうに足を動かしていたが、やがて息は荒くなり、汗が滝のように流れる。


15キロを超えるころには、足は鉛のように重く、視界が揺れる。




しかしジャメはゴール地点で腕を組み、冷たく言った。


「倒れたら最初からやり直しだぞ。」




クロウは唇を噛み、血の味を感じながらも走り切った。




息を整える間もなく、ジャメは指をさした。


「地面に仰向けになれ。腹筋5000回だ。」




「なっ…!今走ったばかりなのに—」




「5000回。途中で止まれば、回復して最初からだ。」




クロウは叫び声をあげ、歯を食いしばって腹筋を始めた。


一回、二回…やがて腹筋は焼けるように痛み、汗が地面に滴り落ちる。




5000回を終えたとき、クロウは地面に崩れ落ち、全身が動かなくなった。


だがジャメは容赦なく回復魔法をかけ、クロウの疲労を一瞬で吹き飛ばす。




「立て。次のメニューだ。」




「悪魔かよ、あんたはあああ!」




クロウの叫びが夜明けの空き地に響いた。


これがまだ、地獄の特訓二日目に過ぎないとは——

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