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028

続けざまに、カサキの手が水の使い手の首を鷲掴みにした。


宙に持ち上げられたその身体は逃げ場を失い、


次の瞬間、カサキはその腕ごと振り回し、生きた棍棒のように氷晶の使い手の胸に叩きつけた。


「ドオオオオンッ!!!」


雷鳴のごとき衝撃音と共に、二人の体は吹き飛ばされ、大地に叩きつけられて地面が大きく裂けた。


水の使い手は目を剥き、息を荒げ、氷晶の使い手は血を吐き胸が深く陥没する。


だがカサキは止まらなかった。


握った手から蒼い炎が放たれ、二人の身体を一瞬で包み込む。


「ゴオオオッ!!!」


燃え盛る炎は彼らを黒焦げに変え、白目を剥いたまま地面に崩れ落ち、動かなくなった。


戦場は静寂に包まれる。


立ち尽くすのは、全身から蒼炎を噴き上げるカサキと、殺気を漲らせるユコンただ二人――。


ユコンも一切ためらわなかった。


「ウオオオッ!!」


彼は咆哮し、炎を纏った拳でカサキの頭を掴み、そのまま壁へと叩きつけた。


「ドガァンッ!!」


壁が爆ぜ、赤と青の炎が四方へと飛び散る。


しかしカサキは怯むことなく、即座に反撃に転じた。


蒼炎に包まれた拳が、上から振り下ろされる。


ユコンは身をひねり、反対の腕に力を込め、迎え撃つように拳を振るった。


「ドゴォォン!!」


ユコンの紅黒の炎とカサキの蒼炎がぶつかり合い、凄まじい爆発を生み出し、足元の大地が裂けた。


二人は一歩も引かず、瞬時に肉弾戦へ突入する。


左拳、右拳、回し蹴り、肘打ち、膝蹴り――その一撃ごとに灼熱の炎が巻き起こる。


ぶつかるたびに炎柱が立ち上がり、戦場は火と煙に包まれていった。


「ドガッ! ドガガガッ! ドゴォン!!」


あまりの速度に肉眼では追えず、ただ閃光のような炎が連続して炸裂するのが見えるだけ。


ユコンの紅黒の炎は、爆発的で荒々しく、まるで火山の噴火。


一方、カサキの蒼炎は、冷たく鋭く、死神の炎のごとく全てを貫いていく。


大地は揺れ、二人の影は炎の嵐の中で交錯し続け、まるで地獄から這い出た悪鬼同士の死闘のようだった。


二人の身体は弾丸のようにぶつかり合い、目にも止まらぬ速さで赤と青の光が交錯する。


「ドォォォォンッ!!!」


カサキの蒼炎を纏った拳が突き出される。ユコンは避けずに、灼熱の拳で正面から迎え撃つ。


衝突の瞬間、爆発のような衝撃波が走り、大地が裂け、岩石が四方八方に吹き飛んだ。


煙が立ち込める間もなく、ユコンの姿が掻き消える。


「バシュッ!」


次の瞬間、背後に現れ、火山の噴火の如き一撃を背中に叩き込む。


カサキの体が沈む。しかし、その全身が蒼炎に包まれ、轟音と共に炎の渦へと変貌。


「ゴオオオッ!!」


ユコンを吹き飛ばす。


ユコンは宙を舞いながらも体勢を立て直し、目を血のように赤く輝かせ、再び突進する。


二人は瞬きの間に数十発の拳と蹴りを打ち合い、その度に爆音が響く。


「ドガッ! ズガァン! バキィッ! ドドォン!」


一撃ごとに大地が砕け、空気そのものが悲鳴を上げる。


ユコンは身を捻り、全力の炎を漆黒と紅蓮に染め上げた両拳を交差させ、破壊の拳を振り下ろす。


カサキは狂気の笑みを浮かべ、両腕を交差させると、蒼炎が燃え盛る巨大な剣と化し、振り抜いた。


閃光が走り、地面が真っ二つに裂け、遠くの建物まで粉々に崩れ落ちる。

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