027
最初は、五人の連携が完璧に決まっていた。
氷の槍がカサキの腕を貫き、砂が両足を縛りつけ、水の壁が押し寄せて彼の動きを封じる。
その頭上からはガラスの刃が雷のように振り下ろされた。
同時に、クロウと兄貴分の炎の拳が連続で叩き込まれ、カサキの肉体は傷だらけとなり、血が戦場を赤く染めた。
その瞬間、多くの者が「勝った」と確信した。
だが――
「ククク……」
カサキは顔を上げ、黒く濁った瞳で不気味に笑った。
目の前で、傷が塞がり始める。折れた骨が元に戻り、筋肉が巻きつき、皮膚が再生していく。
重傷ほど時間はかかるが、確かに彼は戦いながら回復していたのだ。
「まさか……再生しているのか!?」
誰かが叫び、声が震える。
戦況は徐々に逆転していく。
全力で叩き込んでも、わずかな隙にカサキの傷は癒えていく。
彼は戦えば戦うほど強くなり、五人は次第に消耗していった。
そして、ついにその時が訪れる。
彼の周囲に渦巻いていた黒い気配が、突如として変質し――
蒼炎となって天を突き上げた。
それは単なる熱ではない。
殺気であり、圧力であり、魂を引き裂くほどの原始的な恐怖そのものだった。
クロウは冷や汗を流し、歯を食いしばって半歩退く。
「くそっ……これが本当の力なのか……!?」
四人の敵はあまりにも多くの傷を負い、次々と倒れ始めた。
全身は火傷で黒く焦げ、息も絶え絶えだ。
氷の使い手はついに耐えきれず、戦場の真ん中で意識を失って崩れ落ちた。
残りの者たちも同じく瀕死で、ただ大将のユコンだけが血を流しながら立ち続けていた。
その瞳には未だ燃え盛る殺気が宿っている。
突如――
「ドンッ!!」
カサキは稲妻のように飛び出し、砂の使い手の目前に現れた。
拳が天の鉄槌のように振り下ろされ、頭を大地へと叩きつける。
肉片と血が飛び散り、そいつは即座に気絶した。
続けざまに、カサキの手が水の使い手の首を鷲掴みにした。
宙に持ち上げられたその身体は逃げ場を失い、
次の瞬間、カサキはその腕ごと振り回し、生きた棍棒のように氷晶の使い手の胸に叩きつけた。
「ドオオオオンッ!!!」
雷鳴のごとき衝撃音と共に、二人の体は吹き飛ばされ、大地に叩きつけられて地面が大きく裂けた。
水の使い手は目を剥き、息を荒げ、氷晶の使い手は血を吐き胸が深く陥没する。
だがカサキは止まらなかった。
握った手から蒼い炎が放たれ、二人の身体を一瞬で包み込む。
「ゴオオオッ!!!」
燃え盛る炎は彼らを黒焦げに変え、白目を剥いたまま地面に崩れ落ち、動かなくなった。
戦場は静寂に包まれる。
立ち尽くすのは、全身から蒼炎を噴き上げるカサキと、殺気を漲らせるユコンただ二人――。
四人の敵はあまりにも多くの傷を負い、次々と倒れ始めた。
全身は火傷で黒く焦げ、息も絶え絶えだ。
氷の使い手はついに耐えきれず、戦場の真ん中で意識を失って崩れ落ちた。
残りの者たちも同じく瀕死で、ただ大将のユコンだけが血を流しながら立ち続けていた。
その瞳には未だ燃え盛る殺気が宿っている。
突如――
「ドンッ!!」
カサキは稲妻のように飛び出し、砂の使い手の目前に現れた。
拳が天の鉄槌のように振り下ろされ、頭を大地へと叩きつける。
肉片と血が飛び散り、そいつは即座に気絶した。




