表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/124

113

翌日、クロはナオミの手がかりを探そうとした。

だが、彼女はまるでこの世から消えたかのように、跡形もなくいなくなっていた。


彼はあらゆる人に尋ねた――店の主人、橋のそばの老婦人、道で遊ぶ子どもたちにも。

だが、返ってくる答えはどれも同じだった。

「ナオミ? 見ていないね。」


日が経つごとに希望は薄れていき、ついにソララへ戻る前日になった。

その夜の夕食時、クロは黙って皿を見つめていた。

その顔はどこか疲れ、そして寂しげだった。


ガク先生が気づき、優しく声をかけた。

「クロ、どうしたんだい? 何か悩みでもあるのか?」


クロはかすかに微笑んだ。

「いいえ、先生。ただ…明日、ここを離れなければならないんです。

この村が恋しくなりそうです。」


だが心の中では、ナオミのことしか考えていなかった。

――どこへ行ったんだ、ナオミ。どうして何も言わずにいなくなったんだ。


アカリはテーブルの向かい側に座り、静かにクロを見つめていた。

彼の笑顔がどこか空虚で、目を合わせようとしないことに気づいていた。

そして心の奥で悟った――自分は彼に恋をしてしまったのだと。

優しくて、勇敢で…そして、あまりにも魅力的な人に。


その夜、クロは眠れなかった。

窓辺に立ち、外の雪を見つめながら、ナオミの笑顔や声、ぬくもりを思い出していた。

拳を握りしめ、静かに呟く。

「必ず見つける…どこにいても。」


翌朝、空は薄く冷たい色をしていた。

クロは荷物をまとめ、最後にナオミの家を訪ねた。

扉は閉ざされ、窓には霜が張りついていた。

彼は門に手を置き、静かに言った。

「さよなら、ナオミ。君がどこかで無事でありますように。」


そして背を向け、飛行場へと歩き出した。


ハリーはすでに銀色のジェット機のそばで待っていた。

その機体は四つのエンジンを持ち、青く光る尾翼が輝いていた。

クロを見ると、ハリーはにこやかに手を振った。

「やあ、坊主! 旅はどうだった?」


クロは小さく笑い、何でもないように答えた。

「…悪くなかったよ。」


ハリーは少し眉を上げたが、それ以上は何も言わなかった。

「よし、ソララへ帰るぞ。今日は天気もいい。」


ジェットのエンジンが唸りを上げ、滑走路を勢いよく走り出す。

クロはハリーの隣でシートベルトを締め、窓の外を見つめた。

そして手には、白いマフラー――ナオミのマフラーを握りしめていた。

小さく呟く。

「ナオミ…また会おう。必ず。」


太陽の光が翼に反射し、地平線の向こうで眩しく輝いた。

こうして、クロのソララへの旅が再び始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ