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「ヌルいッ!!」


胸を叩き、咆哮を上げる。


全身から放たれる音波は無数の刃となり、空間を切り裂いた。


クロウは後退し、口元から血を流す。


「タフだな……ならば……」


炎はさらに燃え盛り、室内を赤に染め上げる。


「本当の戦いは――これからだ。」




重い足音が鳴り響く。


大男の筋肉が膨張し、血管が鋼のように浮かび上がった。


咆哮と共に、奴はクロウに突進する。




「死ねぇぇぇッ!!!」




巨拳が振り下ろされる。


その拳から放たれるのは――無数の音の衝撃波。




「グォォォォォンッ!!!」




耳を裂く轟音が爆ぜ、クロウの体を包み込む。


少年の体は人形のように吹き飛ばされ、背後の壁へ叩きつけられた。




ドガァァァンッ!!!




壁が砕け散り、瓦礫と土煙が舞う。


クロウは血を吐きながら崩れ落ちる。




「クロウ兄ちゃん!!!」


子供たちは絶叫し、顔面蒼白。冷や汗が滝のように流れる。




巨人の目が赤く輝き、唸り声を上げる。


振り向きざまに繰り出した拳――




ドゴォォンッ!!!




三人の子供がまとめて吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。呻き声と共に地面に転がる。




残りの子供たちは恐怖に震え、後退した。


だがその瞬間、大きな手が伸びる。




「ガシィッ!!!」




二人の頭を掴み――




「バキィィッ!!!」




無慈悲に叩きつけ合わせた。


鈍い音が響き渡り、二人は白目を剥いてその場で気絶した。




「やめろぉぉぉッ!!!」


リクが絶叫し、両手を前に突き出す。




直後、巨大な水流が大男を襲う。


荒れ狂う波のように押し寄せ、廃屋を水で満たした。




ドォォォォォンッ!!!




しかし――




水の中から、巨体が悠然と歩み出る。


水を割るように、足取りは揺るがない。




「それだけか?」


唇が歪み、低音が響く。


「無駄だ。



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