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隣の芝生。  作者: 風子
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第4話 眠れぬ夜。

「昨日はどうしたの?心配したのよ?エーミール。」

「・・・・・」

「来てくれて嬉しいわ。入って。今日は夕食も用意して待っていたのよ?」

「・・・・・」



(うああああああああああ!!!!)


壁に押し付けていた耳が痛い。

何やってんだ、俺?


「一体、この前から何なんですか?殿下?」

「・・・・・」


いや。さすがのフランツにも言えない。ふ…不名誉な事だろう?

婚約者が浮気しているなんて。こ、この俺が、婚約者に浮気されるなんて…。あり得ないだろう?あいつは王太子の、俺の婚約者だぞ?う、浮気なら…。いやむしろ、これは…不貞行為に及んで…うあああああ!。こ、婚約解消してやるだけだがな…。


いや、なんと言うか…。エーミール、って誰?


「暇なら、仕事してくださいよ。終わりませんぜ。」

「・・・・・」

「とりあえず、お茶を入れたのでどうぞお。」

「・・・・あちっ。」


お茶、熱すぎるよ??


「殿下はそう言えば猫舌でしたねえ。いつもはソフィーア様が直々にお茶を入れるので忘れてましたわ。」

「・・・・・」


俺、今日も眠れそうにない。



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