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バブル

バブル


 超低金利政策は不動産バブルを生んだ。私の神戸での商取引はバブルではなかった。私は値上がりを期待して土地を買ったのでは無い。その価値が私には見えたが他の人には見えなかっただけだ。それを私から買った人もその価値を認めたからだ。

しかし、私が融資を受けられたのは超低金利で金をばらまく政策が既に始まっていたからだ。神戸の成功を見て「融資します」から「金を使ってください」に変わった。未だバブル期に入ったという意識は無かったが、そのチャンスに乗ることにした。


 ところが、融資を受けて買った土地は直ぐに誰かが買いに来るのだ。私は急速な土地の値上がりを意識するようになった。売れば儲かるが、次に仕入れる時高く仕入れるなら儲かった事にはならない。

そこで同等の土地を同等の仕入れ価格で入手出来れば売っても良い事にした。すると又、そんな土地を見つけて来るのだ。買う所には情報が集まって来る。あっと言う間に帳簿上の利益が膨れた。気が付くと私はバブルにはまっていた。

1つの物件であれば売った所で買うのを止めればバブルから抜け出せる。ところが1つ売っても他の物件が残っている。融資残高は少しずつ増えている。金利を払い続ける為に売り続け、売り続ける為に買い続けるという悪循環に陥った。土地の値上がりはバブルではない。この悪循環がバブルなのだ。私は毎日、利益を上げる事より、この悪循環から抜け出る事ばかり考えていた。税金の事を無視すれば毎月1億円の利益が出ている中、私は悩んでいた。

「なあ~んや、お前もバブっていたのか」と嘲りの声が聞こえる。



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