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13日の仏滅の金曜日

13日の仏滅の金曜日


 不動産業の仲間で、O社長とS社長と私が<仏滅>に付いて話しあった事がある。1番後から独立したのにもかかわらず、もっとも儲けているS社長が自慢たらしく言った。

「大安に契約したい人は一生に1~2度しか契約する事の無い一般の客だ。うち(我が社)みたいに毎日売った買ったしていると、大安を選ぶ余裕も無い。だから自分が選べる場合は仏滅の日を選んで、お客の為に他の日を空けておく事にしている」

 それから1ヶ月ほど経ったある朝の10時頃、O社長から電話があった。

「おい、今日は13日の仏滅の金曜日だぞ。20年に1回しかない日らしい。君は(げん)を担ぐほうか?」

「私は担ぎません。結婚式も仏滅にしたくらいです」と、私は答えた。確か新曲発表会の時も、玉姫殿が結婚式の無い仏滅の日だったと思う。 

「じゃあ、今日契約して儲かったら、験を担ぐのが無駄な事だと証明できるな」

私はその意見に同意した。そして、2人共同して何かを契約しようと言う事になった。

「今日中に契約できるものを探している」

2人は各々取引先に電話を掛け捲った。

5時頃、共通の知り合いの営業マンが800万円の小さな物件を見つけて来てくれた。物件を吟味している時間は無い。物件を見ることもなく、電話のやり取りだけで協議して契約の了解を与えた。打ち合わせの結果、夜8時に売主宅で契約をした。既に暗かったので売買物件であるその家と土地を見ることもしなかった。

後日、購入物件を詳しく調査すると、境界や地中埋設物、その他に色々問題のある事が判った。しかし2ヶ月かけて何とか問題を処理すると、150万円位の利益を出して売ることが出来た。

「おい、今晩祝杯をしよう。彼も呼んでやろう」

私は営業マンの会社に電話した。受け付けた女性が言い難そうに「亡くなりました」と返事をした。

「え!!何で?」

暫くの沈黙の後、彼女は小声で「自殺だったそうです」と答えた。

<なあ~んや>が<なあ~んで?>に替わった。




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