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小料理屋

小料理屋

「大変迷惑をおかけしました」

事件を共有した売主K氏が言った。

「お詫びのしるしに少しばかりの儲け仕事の依頼に来ました」

K氏が土地を売ったお金で小料理屋を開きたいとの事だったので、私達夫婦の持っているノウハウで全面的に協力した。

 小さな長屋の中家を借りることにした。つまり私達はそれを仲介したのである。前の道は拡巾中であったが、途中に立ち退きに非協力な人がいる為、長家の前の拡巾予定地は車の通らない広場になっていた。私達はわずか150万円で1階の店舗改装、2階の座敷改装、銘木の大看板、お品書き、店の飾りつけ迄請け負った。そして初日と2日目を超満員にする為の宣伝を25万円で請け負った。

 私達は盆踊りを組織した。小さな店の前には述べ200人位集まり、客は多過ぎて対応が追いつかなかった。当町会では何十年も盆踊りが出来ていなかった為、泣いて喜ぶお年寄りも居た。店主のK氏も涙を流して喜んでくれた。

 これだけの事を同金額でやろうと思えば、半ばボランティアでないと出来ないと思う。しかし私達は利益も出していた。私達は天狗になった。<なあ~んや、店舗コンサルタントにもなれる>と思ったものです。


 これが次の事件の始まりであるとは夢にも思いませんでした。

 私達はやはり店舗経営には素人でした。

「腕には自信が有るので、2日間だけ満員にしてくれたら、その後は自分の力でする」

店主のK氏は断言していたが、その後幾ら客を紹介しても一向に定着する気配が無かった。入客数にもムラがあり、新鮮な材料が提供出来ず、苦情が絶えなかった。

 K氏は店を息子に任せ、土地の金が未だ残っている間に次の事業をする事に決めた。



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