劣等感
劣等感
「なあ~んや」は劣等感の裏返しの言葉です。
私は高校を卒業した後、働きながら夜間に大阪市立大学2部商学部で学んだ、と言えば少しカッコ良いのですが、実際は卒業後も仕事が上手く出来ず、金儲けが下手で劣等感の塊だったのです。
兵庫県にある高校を卒業し、大阪市にある繊維会社に就職して間のない頃の事です。
「B反」という規格外の反物を量りにかけて受け渡しをしていた時の事です。私は納品が多めに間違っていると納入者に告げた時、後で先輩に叱られました。先輩いわく、「少ない時は告げて、多い時は黙っておくのだ。お前は商売人には向いてない」と。私は内心「間違ってはいない」と思いながらも、商売人にはなれないと落ち込みました。
その後、会社を3つも変わりましたが、仕事に結果が出せず、劣等感は続きました。
「お前は商売人には向いてない」と言われ続けました。
ところが、17年経って、5つ目の職場の不動産屋に入社し、1週間目の事でした。訪問した時の客が、「お前は有能な営業マンだ」と誉めてくれました。以来、行く先々で誉めて貰ったのです。
「なあ~んや、やっぱり私は正しかったのだ。損や得かを考えず、正直に話すのが結局1番良いのだ」
少し時間のかかった「なあ~んや」でした。