テニス
テニス
私は骨折した後、スポーツから遠ざかり、3年近く小説やマンガを読み耽り、右手が軽い物を動かせるようになると、絵やマンガを描く等に成長期のエネルギーを注ぎました。中学生になると、体力回復の為野球部に入りました。1学期はリハビリ程度、2学期から本格的な練習をしました。しかし、2年生の2学期になるとレギュラー争いになりました。未だ技術が着いて行ってない私がいると迷惑になると思い、退部することにしました。
すると、どう伝わったのか、テニス部から誘いが来ました。メンバーが1人足りないので頼むとの事でした。野球と同じく目の前に試合が待っていました。入部したのは良いが1年生よりも初心者です。野球は骨折前にもしたことが有り、何とか着いて行けたのですが、テニスは全く場違いでした。ラケットにボールを当てることも、当然前に飛ばすこともできません。2年生には3人のハイレベルのメンバーがいたのですが、ダブルスなので私が追いつかないと2人しか試合に出られません。私は特別強化練習を受けて試合に間に合わせました。その後、高校時代も同メンバーでテニスを続けましたが、私だけレベルが低く、後衛のパートナーに申し訳ないという気持ちが卒業するまで付きまといました。
社会人になってからも何度か軟式テニスをする機会が有りました。
この頃は未だテニスとは軟式テニスの事で、硬式テニスは一般人がするものと思っていませんでした。会社の後輩で同様に県大会まで行った者と互角に打ち合うことも有りましたが、劣等感は続きました。運動神経の発達している者が、生まれてはじめてテニスをして、その日の内に打てるようになるのを見たからです。私が中学校で半年もかけて身に着けたレベルまでです。
私は老年の域に達し、一年ほど前から硬式テニスの壁打ちを一時間半位することを日課としています。私が硬式テニスの存在を知ったのは30歳を過ぎてからでした。それまでテニスとは軟式テニスの事だと思っていたのです。そして60歳を過ぎて、やっとテニスでは劣等感から解放されました。私は硬式テニス新打法を身に着け、私のテニス人生の中で最も強く、最もコントロールが有り、もっとも反応時間の早いラリーが出来る様になりました。<なあ~んや、今までやって来た事は無駄ではなかったんや>と思ったものです。
しかし、現在老年となり、身体は固くなり、動かなくなってきました。今のうちに<硬式テニス新打法>に付いて本を出そうと原稿を書き上げました。主な内容を紹介します。
1 エネルギーの源は円運動である。
2 戻りの力を利用する。
3 ネットに平行に立って打つ。
4 スピード、コントロールは手首による。
5 ボールに当たる前に動作を止める。
6 フォームを持たない。
7 ストローク、ボレー、サーブ、スマッシュは同じ動きである。
8 フォロースルーは無い。
9.ストロークはストローク+ボレーの事である。
硬式テニスの経験者でもこれだけの説明では判り難いと思うが、全く新しい打法のはずである。中でも<5、ボールに当たる前に動作を止める>が理解し難いはずである。
映画「ブルース・リー物語」の中に「拳は当たる前に止めよ」が出てくるが、これを参考にして新打法に行き着いたのです。皆さんも新打法を身に着けると<なあ~んや>と思うはずです。50年以上かかった<なあ~んや>です。
*硬式テニス新打法(2015年6月文芸社刊)参照




