元ネタ「蛇に嫁いだ娘を治療する話」より、それは一生を棒に振る行為です
ものすごく短い話なんですけどこれって実際は!?!?とおもってしまいました、昔話、おとぎ話、風習、すべて過去に会った歴史のヒントだと思ってます、そう考えると・・・オンドリャー!と思いました。
娘は男からしつこく言い寄られていた、何度も何度も断っているのに男は一向に諦める様子はなかった。
「お前には俺しかいない。」
「お前なんか嫁にしたい人間なんかいるものか、さっさと俺と結婚しろ。」
「俺のところへ来なければ誰かが嫌な目にあうかもなぁ!」
口説くのではなく日頃から脅していた、男の家は少しだけ小金のある家だった、三男だったため程よく放置されており、本人も親の目も交わすのがうまかった。
後始末だけ回ってくるため親もいい加減頭に来ており
「次に問題を起こしたら勘当する。」
と言い渡しているのだが、ここしばらくは何も話が上がってこない為又放置されていた。
娘は町ではちょっと評判の器量良しだった為、目を付けられていた、だが娘は結婚をするつもりが無く生涯独身で生きる、と思っているせいか、かたっぱしから男の誘いを断る為一向に話は進展せず男はいらだっていた。
男は強硬手段に出るのである、会社帰りの娘を襲ったのだ、だが暗がりに引き込まれ薬を嗅がされた娘はきっとあの男だと思っても意識は飛び証拠と言えるものが無かった。
目を覚ましたら草むらに放置されていた、服も着てない状態で、ボロボロにされた服を着ながら考える。
警察に届けて・・・この話をするのか?今はだいぶん良くなったとは聞くがやはり誰かにこの話をするのは辛い、だが親には……相談しよう。
娘の両親は帰って来た娘の姿に驚き声も出なかった、母親は声もなく泣いた。
「とにかく病院に行こう、それから警察だ。」
父親はなけなしの理性で娘を促した。
翌日娘は会社を休み母親と病院へと行った、診断書と薬をもらいその場で飲む。
事後でも赤ちゃんが出来にくくする薬であると説明された。
体内のそれは証拠であると言われDNAを調べてくれるので娘は何も証拠を残せなかったと悔やんでいた心が少し救われた思いだった。
頼むと数日は待たされる診断書を女医だったからかすぐに書いてくれた、女医の憤りも並々ではなかったようである。
「この仕事をしていると似たケースの患者さんがいます、負けずに警察に行こうとする貴女を私は応援します。」
世に公表することになりかねない事に尻込みしていた娘だったが両親や女医、看護師さん達の応援で警察へと赴き手続きをすることが出来た。
数日もすると男が任意で警察へと呼ばれた。
・合意である
・子供が出来れば夫婦なのだから罪には問われない
などお粗末な事を言っていたようだがそのような言い分が通じる時代ではない。
男は起訴され裁判を受ける身となった、もちろん親にも連絡をし助けるように求めたが、親ももう見離している。
「罪を受けなさい、お前が罪を受けることによって私たちも罪を受けるだろう、今のまま生きていけるとは思っていない、身内から犯罪者から出たのだからな、示談にするにしても金は自分で出せ、お前とは縁を切る、何もも相続できると思うな。」
親は男を突き放した、突き放すことが最後の親らしことだと思え、と言い放った。
親はすでに娘の家に謝罪をしていた、土下座をし、いくばくかのお金を包んで渡そうとした。
「この度は愚息が誠に申し訳ない事をした、これは示談金ではありません、詫びの気持ちです、どうか治療費と思って受け取ってください、愚息は刑務所を出ましたら船に乗せます、日本に戻っても必ず監視を付けます、二度とお嬢さんに近寄らせません、誠に申し訳ありませんでした。」
男の親の言い分である、娘も娘両親も泣きながら頭を下げる男の父親にどうしたものかと思案する目を向けた。
本来は夫婦で来るところだったが妻は倒れ立ち上がれないとまで言われて物が言い辛い形だと思ったがこの両親がしっかりしていれば男もあのような人格にはならなかったでは?と思い直し憤りが戻って来た。
「私はされたことを許せそうにありません、親としての謝罪の気持ちは受け取りますがお金は受け取れません、後から気が変わって示談になったと言われたくないのです、必ず刑に服してもらいます。」
そのようなことないと男の父親は言い募ったが信用が無いのも理解していたのでどうしても受け取ってもらえず見舞いのお菓子も持って帰る事となってしまった。
男の父親はこれも仕方なしと最後に頭を下げて帰って行った。
なぜあの親からあの息子が?とも思わされたが考えた所で時間が戻るわけでもない、今は男への憎しみしかない。
助かったのは玄関の内側で土下座されたことである、外でされたら何かあったことが近所にバレてしまう、そうなると何があったのかと詮索する人間が出てきたであろう。
今の日本では被害者はとても弱い立場にある、加害者は罪を償えば終わりと開き直る者もおり、近しい存在が「もう忘れて前向きに生きろ」などどいう人も出て来る、だがその罪は一生ついてくるものだと忘れないで欲しい、忘れてはいけないのだ。
被害者は一生その傷を負わされ好奇の目を向けられ弄られ続けるのである、本人が悪くなくても人の口には戸は立てられぬ、悪意のある人は娘が油断したかららだろう、実は誘って被害者を装っているのでは?口さがない人が出て来る可能性もある、被害者は逃げることしか出来ないのだ。
娘ももちろん家を出るつもりである、いつかバレるかもしれない、そうなった時の事を考えると身が震える、誰も自分を知らない土地に行き再就職するつもりだ。
幸い県をかなりまたいだところに母方の伯母がいて事情は聞かずに置いてくれることになった、職も知り合いの会社を紹介してもらい引っ越していきその土地で知り合った人と結婚し幸せになった。
両親も一緒と思っていたが父親の考えは違っており。
「あんな陰険でしつこい野郎だ、きっとここへ来る!俺の手で制裁しなければ気が済まん!」
迎え撃つ為に残ると言うのだ、危ないから、と説得しても聞かず残ることとなった、母親もニッコリ笑って「お父さんに好きなように。」と残った、母親も怒っているのだ。
「お母さんだってフライパンの扱いは一流なんだから!」
「お母さん、殴ったらだめだからね?お母さんが罪に問われるからね!?ダメだよ!!!」
娘は笑いながらも注意はした、もう娘は終わった事として未来を向いたようだ。
『判決、男を懲役6年とする。』
その後①
6年後
男「よくも俺に罪を!娘はどこだ!俺に謝れ!!」
父親「来たな、食らえ!……ふん、この日の為に高圧洗浄を買い日々練習していたんだ、玄関に水道までつけたんだ、工事費返せえぇぇぇぇ!」
ぱこ~~~~ん、気の抜けた音がした。
母親「頭じゃなければそうそう致命傷にならないもの、娘はああ言ったけど尻の一つも叩いてやらないと気が済みません!」
男はその後呼ばれた警察へと連れていかれた、ポケットに小型のナイフがあった事により又刑務所へと逆戻りしそうである。
その後②
父親「なにーーー!又警察だと!?実刑の可能性大だと!もう船長さんに頼み込んであったんだぞ!」
母親「待ちましょう、船長さんには申し訳ないけど十分なお詫びをして次出てきた時にお願いしましょう。」
船長「人手が・・・・。」